芥川賞受賞作「小さな貴婦人」を読んで以来、実に久々に作者の著作を読むことになりました。
タイトルにもある通り、猫好きの作者らしい素敵なエッセイが大半を占めています。
そこに現れる作者と猫たちの心の交流の表現や、そこで起こる様々なエピソードは、猫好きの人には堪らなくなる作品ばかりです。
と同時に、異常なまでに猫にのめり込んで行く作者の精神的なひ弱さは、過去のエピソードも含め考えさせられるものがあります。
この本の中には、「小さな貴婦人」も収められており、この本全体が、「小さな貴婦人」の解説本のような感じです。
従って、81年に芥川賞受賞時に読んだときよりも、ずっと深くその内容を理解できた気がします。
その意味では、小島千加子氏の編集の妙が感じられる作品でもあります。