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湖底のまつり (創元推理文庫)
 
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湖底のまつり (創元推理文庫) [文庫]

泡坂 妻夫
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

旅先で突然増水した川に流された若い女性紀子は、投げられたロープに縋り救助された。その夜助けてくれた若者晃二に身をまかせるが、翌朝彼の姿は消えていた。祭で賑わう神社で晃二の消息を問うと、ひと月前に毒殺されたのだと告げられる。では昨日の人物は何者なのか。文学的香気を漂わす描写のうちに著者の仕掛けた謎があなたを惑わす。

内容(「BOOK」データベースより)

傷ついた心を癒す旅に出た香島紀子は、山間の村で急に増水した川に流されてしまう。ロープを投げ、救いあげてくれた埴田晃二という青年とその夜結ばれるが、翌朝晃二の姿は消えていた。村祭で賑わう神社で、紀子は晃二がひと月前に殺されたと知らされる。では昨日、晃二と名乗っていた人物はだれか。読む者に強烈な眩暈感を与えずにはおかない泡坂妻夫の華麗な騙し絵の世界。

登録情報

  • 文庫: 302ページ
  • 出版社: 東京創元社 (1994/06)
  • ISBN-10: 4488402135
  • ISBN-13: 978-4488402136
  • 発売日: 1994/06
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 目眩く作品世界に浸ってほしい, 2011/3/24
レビュー対象商品: 湖底のまつり (創元推理文庫) (文庫)
著者の長編作品の中では、比較的評価の低い作品である。

でも、私は好きだ。

この幻想的な雰囲気と、いったい何が起こっているのかという不可思議。

本格ミステリであり、心理ミステリであり、恋愛ミステリであり、そして幻想ミステリである。

ストーリーには触れない。

予備知識なしで読んで欲しい。

アマチュア・マジシャンであった著者の、文章によるマジックに酔ってほしい。

初期泡坂の傑作であり、「幻影城」というマニアックな雑誌の読者に贈られた、これ以上ないプレゼントであった。

リアルタイムで読んだ当時、著者の長編はまだ「11枚のとらんぷ」と「乱れからくり」だけだったから、本当にサプライズだった。

できれば、著者の後年の作品を読む前に、読んで欲しい。

後味が良いとは、けっして言えない。

ガチガチの本格マニアには、これが本格ミステリかと怒られそうではある。

しかし、私の中では間違いなく本作は本格ミステリであり、その衝撃度は大であった。
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5つ星のうち 4.0 “湖底に消えた幻の恋”というめくるめく騙し絵の世界, 2009/11/6
By 
- レビューをすべて見る
(トップ500レビュアー)   
レビュー対象商品: 湖底のまつり (創元推理文庫) (文庫)
「一章」は、ヒロインである紀子を視点人物とした三人称の叙述(一人称ではない)。

よって、紀子がある事実を誤認したことよりも、客観的であるべき三人称の地の文において

虚偽の記述がなされていることのほうが問題とされるべきでしょうが、「一章」の終わりでは、

きちんと客観的事実が提示されており、作者はフェアプレイを遵守しているといえます。

ただそのぶん、真相が見えやすくなっているのもたしかで、大方の読者は、

登場人物が出揃った段階で、本作のメイントリックには、気づくと思います。

もっとも、本作の主眼は、そうしたミステリ的仕掛けそのものにあるのではなく、

“湖底に消えた幻の恋”という幻想美あふれる世界観のもと、己の哀しい過去

と訣別することを決意した、ある人物の再生を描くことにこそあります。

出来事と共にテーマまでもが反復されていく本作の

構成は、その試みを見事に実現しているといえます。

また、巧緻な伏線技巧も本作の読みどころの一つで、「P」というイニシャルに

仕掛けられたミスリードや、刑事の娘が観たというある劇団の芝居など、読後

に思い返すと、作者の周到な企みに気づかされ、思わず膝を打ちたくなります。
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4 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 騙しの技巧は光るが, 2006/8/4
By 
紫陽花 "玲瓏" (神奈川県相模原市) - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)   
レビュー対象商品: 湖底のまつり (創元推理文庫) (文庫)
作者は奇術も本職並み(あるいは本職?)で、騙しの作品を書くのにふさわしい。第1章から祭りの中での人間消失の謎が提出されるのだが、状況からして結論は1つしかない。私は本章の途中でトリックに気づいてしまった。それにしても、一人称で書いているヒロインが出会った相手が「***」と気付かないのは不自然ですね。話は1章の人間消失の謎に加え、相手だと思っていた人物が数ヶ月前に死んでいたと聞かされた謎を追うヒロインが、2章、3章と時間を遡り、謎が錯綜する中、真相にたどり着き、アッと驚くという仕掛け。この構成は巧みだと思う。本作を日本ミステリ界の「騙しの名作」と呼ぶ人が多いのもうなづける。1章をもっといい加減に「皇帝のかぎ煙草入れ」風に書けば、騙される人の数が増えたと思う。作風がそれを許さなかったのかもしれないが。
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