確率論を勉強しようとおもっていくつかの本を当たった学生です。
最大の障壁はσ-加法族,測度といった抽象的概念がなぜ必要なのか、
なぜそういった定義をするのかということが実感できないことでした。
確率論の本によっては、そのあたりは公理だから、定義だからと、その意義まで深くは語らずに
数学的主張を淡々と述べているものもあります。
わかるひとには数学的結果からその意図するところがわかるのでしょうが、
わからない人(私のような)にはわかるまでが長く、一番しんどいのではないでしょうか。
この本では、序盤で測度が長さの概念の精密化であること、
それが確率論でなぜ有用であるのかを丁寧に論じることによって
定義の意義がきちんと理解できるように配慮されています。
ある程度定義の意義がわかってくると、そういった細かい説明は余分に思えてきますが、
最初に学ぶときはとにかくありがたいものです。
他の測度論・確率論の本を読んでわからないなと感じている人にはぜひお勧めしたい一冊です。
唯一惜しむべきことは、誤植が多いことでしょうか。