”ホンモノ”と”マガイモノ”「辛口のガイド」という著者の姿勢は,「はじめに」の中に三朝温泉や北陸のランプの宿を引き合いに出して『循環風呂』の嘘をすっぱ抜いているものの,本文中にはほとんど利用者側に立った『辛口』の批評は出てこず,単なる宿側の宣伝文句を書き並べたに過ぎない生地も多く見られる。その中には『循環風呂』でも由とする旅館の紹介まであって少しがっかりした。さらに,泉質よりも建物や料理といったサービスを中心にかかれている記事もあって,「ご招待」を受けて泊っているのではないか?と疑ってしまう。
しかし,同じ温泉地の中でどの旅館,どの共同浴場が”ホンモノ”の温泉であるかという点にまで言及していることは,それなりに調査が徹底しているということの証でもある。こういうガイドブックは他になかったのでありがたい。全記事こういう調子なら素晴らしいガイドとなるのだが,
調査しきるには,余りにも温泉や温泉宿が多すぎるのであろう。調査対象を明示しておくと,もっと参考になるはずである。
温泉ガイドの多分に漏れず,東日本に偏った感も否めない。