温泉に入るという行為が、単なる治療、娯楽だけではなく、神聖な神仏に巡礼する際の湯垢離の場であった、更には、温泉そのものがパワースポットであり、聖地であったという、新たな文化人類学的な温泉へのアプローチを著者は提示している。確かに、そういうところはあるな。でも、そういう学問的興味で本書を手に取る人は恐らく少なく、どこの温泉がいいお湯かという興味だろうが、古い温泉=自噴泉=聖地という見方をすると、どの温泉が本当に良い温泉か、わかろうというもの。何しろ千数百年も日本人があがめてきたお湯であれば、効き目も確かということだろう。
実は、温泉のガイド本として、読んで楽しい本なのだが、最初の学問的な部分がちょっと邪魔をしているかもしれない。