大変面白い本だった。著者の「日本温泉文化研究会」は、学術研究会なのだそうだ。というわけで、7章にわけて、「温泉の歴史学」「温泉の宗教学」「温泉の医史学」「温泉の医学」「温泉の博物学」「温泉の民俗学」「温泉の文学」について、様々な切り口で語られている。そのそれぞれが興味深い内容だった。「温泉の歴史学」「温泉の宗教学」「温泉の民俗学」は、私は個人的に好きな分野なのでとても参考になった。
第四章「温泉の医学」では、「大湯温泉リハビリ病院」の取り組みについて書かれている。内容は具体的でわかりやすい。温泉療法は未だ保険適用外で、各地の施設では、それぞれ工夫して保険適用内で利用できるような取り組みをしているという。しかし、医療制度改革によって在院日数が短縮されてしまう現状ではそれも難しくなり、医療機関での温泉療法には限界が来ていると言う。
時代は変わり、温泉の利用法も滞在の仕方も変わってきているが、それでも昔も今も変わらないのは、疲れを癒し、病を癒したいという人々の願いではないかと思う。私自身も温泉が好きで年に数回、各地の温泉を訪れているが、心も体もほぐされてゆったりと過ごす事ができている。これからも温泉を楽しんでいきたいと思う。