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温泉をよむ (講談社現代新書)
 
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温泉をよむ (講談社現代新書) [新書]

日本温泉文化研究会
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商品の説明

内容説明

日本人にとって温泉とはなにか。それは癒しと憩いの場であり、明日への活力を養う場であると同時に、非日常的な時空間に身を置き、文字通りの「再生」を願う場所でもありました。
古代人は熱い湯が大地から噴き出すことに恐れおののき、これに神格を認めました。また、医療の発達していない時代にあっては、薬石効なく医者から匙を投げられたものたちが最後の望みを託して杖をひく場でもありました。近世に至れば歓楽の場ともなり、また科学的に温泉を理解しようとする動きも出てきます。
近代になって温泉を「観光地」「保養地」として理解しようとする人びとは、それまでの信仰や民俗が雑多に、重層的に存在する温泉地のありかたを「旧来の陋習」として排斥していきます。その一方で、インテリとよばれる若者たちによって温泉は「青春の煩悶」と結びついた特権的な場所として表象され、やがてそれは文学名所として観光的に「消費」されていくことになります。
本書は温泉が日本文化においていかに重要な存在であるかを多角的に明らかにしていきます。

著者について

日本温泉文化研究会
二〇〇五年生まれの温泉をテーマとする学術研究会。総合的かつ学際的な温泉研究をおこなうため、研究者や大学院生が集結した。基本方針は、「独自性」「良心」「自立」。これまでの学会・研究会にはない独自性を維持し、特定の温泉地や宿泊施設などからの宣伝料に揺らぐことなく学者としての良心を堅持。そのうえで、温泉研究を一つの学問分野すなわち「日本温泉学」として自立させることをめざす。これまでに、共同研究の成果論文集として『温泉の文化誌 論集【温泉学1】』、『湯治の文化誌 論集【温泉学2』(ともに岩田書院)を刊行した。今後も隔年で続刊。会員の専門分野をいかし、古文書や民俗をはじめ、地質なども含めた温泉地の共同総合調査および研究もおこなっている。

登録情報

  • 新書: 280ページ
  • 出版社: 講談社 (2011/1/18)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062880881
  • ISBN-13: 978-4062880886
  • 発売日: 2011/1/18
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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By ポチR トップ50レビュアー
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大変面白い本だった。著者の「日本温泉文化研究会」は、学術研究会なのだそうだ。というわけで、7章にわけて、「温泉の歴史学」「温泉の宗教学」「温泉の医史学」「温泉の医学」「温泉の博物学」「温泉の民俗学」「温泉の文学」について、様々な切り口で語られている。そのそれぞれが興味深い内容だった。「温泉の歴史学」「温泉の宗教学」「温泉の民俗学」は、私は個人的に好きな分野なのでとても参考になった。

第四章「温泉の医学」では、「大湯温泉リハビリ病院」の取り組みについて書かれている。内容は具体的でわかりやすい。温泉療法は未だ保険適用外で、各地の施設では、それぞれ工夫して保険適用内で利用できるような取り組みをしているという。しかし、医療制度改革によって在院日数が短縮されてしまう現状ではそれも難しくなり、医療機関での温泉療法には限界が来ていると言う。

時代は変わり、温泉の利用法も滞在の仕方も変わってきているが、それでも昔も今も変わらないのは、疲れを癒し、病を癒したいという人々の願いではないかと思う。私自身も温泉が好きで年に数回、各地の温泉を訪れているが、心も体もほぐされてゆったりと過ごす事ができている。これからも温泉を楽しんでいきたいと思う。
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By いせむし トップ500レビュアー VINE™ メンバー
最初のページから最後のページまで、
詰め込まれた活字の圧力に圧倒されます。

歴史学、
民俗学、
医療、
医療史など、
多面的な視点で温泉を語り尽くしています。

いわゆる「うんちく本」にしては、
固過ぎて、読みづらいです。
手軽に読めるタイプの新書ではありません。

ところが、
いったんじっくり読む込むとはまります。
不思議なことに温泉を語ることで、
その時代時代の社会が見えてきます。

例えば、中盤に登場する、
江戸時代の有馬温泉をめぐる奉行所や民衆の動きは、
封建時代における民衆統治の有り様が、
基本的には現代の自治体と変わらず、
視点の中心に民衆(市民)を置いていたことに気づかせる点で、
とても面白かったです。

温泉を通じて社会の有り様が垣間見られるところが、
本書の魅力だと思いました。
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