温暖化論については、「懐疑論」者や「脅威論」者のメディアでのバトルや、
情報の捏造など、不愉快な話題が後を絶たず、一体全体何が正しいのかと疑問をもっていた。
本書の中でIPCCではどのようなしくみで運営されているかなど、具体的な説明があり、
査読(ピア・レビュー)で検証された論文であれば、ある一定の基準をみたしており、
その中にはIPCCの結論と異なったものも含まれていることがわかったことは、
自分にとって収穫でした。
三者三様の考えがあり、収集がつくのかと思いましたが、いわゆる意見の対立や
潰し合いというようなバトルの部分は思ったより少なく、お互いが自分の意見を述べ、
耳を傾けながら、合意している部分とそうでない部分を明確に整理していき、
そこからさらに論点を深く話していく、という対話の手法を繰り返し、最後に整理したときに
三者の相違点は思った以上に少なく、合意点の方が多いのではないかという結果に
なったのには驚きました。
武田氏、枝廣氏、江守氏、3人ともとても真剣に現状と未来について考えている
ということと、メディアはそこを面白くするために、あおったり真実と歪曲した正しく
ない形で伝えている場合があること、そのなかから冷静に情報を選び取る技術と
他人の意見に振り回されずに自分で考えて意見を持つことの大切さが見えてきました。
それから、対話を続ける(つなげる)ことは難しいが可能であるということもわかった。
そういった意味で大変勉強になった。
本書のメインテーマと少しそれてしまうが、
武田氏は温暖化懐疑論の本を書いて、ご家族と一緒にいられなくなった時期があったそうだ。
それほど誹謗中傷がひどかったそうなのだが、意見が違うから間違っている!と嫌がらせに
近い抗議をする社会というのはどうなのだろう・・と思った。すぐに対立させて面白おかしく
情報を流そうとするメディアのあり方も、社会のひずみを大きくしていると思う。