渡部陽一さんの語りは、評判通り本当に素晴らしいです。この人は、カメラマンとしてだけでなく、声優になっても成功するのでは……?ほんのちょっとしたテンポの違いや声の高低で、みごとに老人から子供までのキャラを演じ分けているのには脱帽です。読み聞かせのCDは幾つか持っていますが、これは読み手のクオリティがかなり高いと思いました。ただ……読み聞かせCDにはありがちなことですが、残念なことに、効果音がよくないです。じっくり渡部さんの朗読を聞きたいのに、変に音楽や効果音がでしゃばっていて集中できません。それも、あまり場面にそぐわないものが多いです。読み聞かせCDである以上、一行一行、場面展開を考慮して、その場面にふさわしい効果音を入れてほしいものですが、なんというか、入れ方が雑なのです。例えば最初の「ももたろう」も、しょっぱなから童謡の『ももたろう』が「もーもたーろさん、もーもたーろさん」と無意味に流れていて、渡部さんの物語への導入を邪魔しています。さらに、桃太郎が鬼退治に行く場面でも、「おじいさんはたいそう心配しました」と渡部さんが感情豊かに読んでいるのに、またもやバックで「もーもたーろさん、もーもたーろさーん」というノーテンキな音楽が……。(まだ、桃太郎は出発してないのに……)正直なところ、渡部さんの語りだけで聴きたかったです。