過去60年間はびこっていた「左翼的戦後民主主義」のベールを剥がし、正常かつ国史的な歴史観を取り戻すことが本書の主張。
共産主義、東京裁判、55年体制や日本における皇室と神道など、最低限の知識を要求されるが、その求められるレベルの割には情報が幅広く網羅されており、確かにわかりやすい。
また、日本史としては当然ではあるが、主張は全て国益の観点から、日本を中心として描かれており、この点では妙に米中の主張に偏っている教科書と比較して興味を持って読むことができる。
1点残念なのは、おそらくわかりやすさを重視した上なのであろうが、本書で主張されている史実に関して、一次資料が曖昧であり、あくまで個人的な主張に見える箇所が散見されたことである。
教育改革、日米安保、コミンテルンの暗躍など、歴史の見方が変わるほどの内容であるが故に、わかりやすさを犠牲にしても客観性を重視して資料のみをまとめた章立てなどがあっても良かったのではないだろうか。