あとがきに『とりあえず、これで一区切りとなります』とあるのは、今回の『土志紀編』が、ではなく本シリーズが(オトナの事情で)一区切りという意味のようである。いかにもお別れというあとがきを読むに連れ何とも残念無念な雰囲気が漂ってくる。出来る限り一冊で纏めましたという性急な印象を残す第5巻である。あくまで私見だが、本シリーズは学園モノに魔物退治までは良かったと思う。しかし、渚の「歌手」や朱理の「小説家」という設定が今から思えば余分だったのではなかろうか。これらを活かしたエピソードもあるにはあったが、あまり多方面に話を膨らませると物語全体の焦点がぼやけてしまう。逆に空美や香流には生徒会という設定がありながら、大地や渚が生徒会に絡まないので活かせないし、かといってUMA同好会で毎回UMA探しをする訳にもいかないだろう(そもそも地味過ぎるし)。さらに魔物退治にも関わらないとなればこの2人は活躍の場が無いのである。こうした手詰まりが発生したのではと根拠もなく推測してみる。ただ、渚のツンデレ破壊力はシリーズを通して絶大で充分に楽しませて貰ったし、本巻にしても大地のポジションが唐突にUPしたものの主人公としてヒーロー然とした活躍も出来て良かったと思う。本編はこれから夏休み!というところで終わるが、巻末に番外編として短編【夏休みのひととき】が収録されている。