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31 人中、30人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ゆっくりと死んでいく世界,
By torugatoru (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 渚にて【新版】 人類最後の日 (創元SF文庫) (文庫)
この物語に描かれるのは全面核戦争が終わった直後の世界です。北半球が主戦場になったため最後にオーストラリアのみが生き残った形になっていますが、放射性降下物(死の灰)が徐々に押し寄せて来るため、この地が滅ぶのも時間の問題となっています。 大抵のSFものでは、この状況を打破すべく生き残った人たちが知恵を振り絞るとか、武器を手に残り少ない食料や資源を奪い合うような展開になるかと思いますが、これはそういう小説ではありません。今やれることを今まで通りやり、それが何の保証も無い将来に続く唯一の道であると、自分に思い込ませて生きる人たちの話です。 なぜそんな夢も希望も無いような話が傑作と呼ばれるのか? それはきっと彼らの生き方が、人間の普遍的な生き方そのものだからじゃないでしょうか。核戦争という大掛かりな舞台装置を持ちながら、「確証のない明日」に対する人間の不安や恐怖、希望を描き切った事こそが、この作品を傑作たらしめている理由であると思います。
10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
まさかの落涙,
By 佐藤 大介 (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 渚にて【新版】 人類最後の日 (創元SF文庫) (文庫)
小説の大半を通してドラマティックなことは何も起こらず、ただ淡々と日常が描かれている様は、正直結構退屈でした。でも、その前中半があったからこそ、後半に描かれる愛する人との絆がよりリアルに感じられます。 自分の愛する人々のことを思い、思わず泣いてしまいました。 よく「終末世界ものの傑作」として、キングの「スタンド」や漫画の「ドラゴンヘッド」と比較する文章をみかけるのですが、全くジャンルが違います。 はっきり言って、これは素晴らしいラブストーリーだと思います。
18 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
福島原発事故を思い、いまだこそ読みたい。,
By JABB (群馬県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 渚にて【新版】 人類最後の日 (創元SF文庫) (文庫)
初めてこの本を読んだ時には小学生だったので、静かに死を迎える人々の気持ちがあまりよくわからなかったように記憶している。福島で大きな原発事故の起こった今、また自分も親となった今、最期を迎えるにあたって日常にしがみつきたいという気持ちに強い共感を覚える。 自分たちで制御できないほどのエネルギーを使うことができるまでに進化したヒトでありながら、いっぽうで愚かな間違いを起こしてしまう側面もある。ただ、その愚かな間違いがいにより、故郷を奪われた福島の人たち、そしてその周辺の人たちにも、自分もただ傍観者でいることはできないということを改めて気づかせてくれる名著である。
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