これまで江上剛さんの作品は全て読んできました。
金融と人物描写の秀逸さは、他の金融小説とは比べようもありません。
その江上さんが本作では近未来小説に挑戦したようですが、
正直がっかりしました。
安易な人物設定といい、登場人物が用いる言葉の軽さといい、
せっかく購入したハードカバーも読み進めるのに時間がかかりました。
著者としては、新たな境地に踏み込まれた意欲作だったのかもしれませんが、
ファンとしては正直、残念な気持ちでいっぱいです。
これまで、著者の作品を常に内容を立ち読みすることもなく、
自宅に持ち帰るまで我慢できずに、近くの喫茶店で読み始めてしまう楽しさが
あったのですが、今後は店頭で検討してから購入する必要があると感じてしまう
ほどの「駄作」でした。
編集者の方も、きちんと著者と向かい合って、せっかく新たな分野に踏み込む
のなら、それなりのフォローをすべきではなかったでしょうか。