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清水アリカさんという名前は知っていた。
フシギな名前だからだろう。
でも作品をちゃんと読んだ記憶はなかった。
少しびっくりしたことだけれど、昨年(2010年)ある大きな本屋をぶらぶらしていると、本屋の大きな柱にファクスみたいな紙が貼られているのを見つけた。
見てみると、それは出版社だか販売問屋だかから送信されたと思われる清水アリカさんの死去を知らせるファクスだった。
なんでそんなものが貼ってあるんだろう?
ともかく、出版関係の情報として貼ってあったのだ。
でも、ここはイイ本屋だなあ〜、と思った。
…え、47歳?!
若過ぎるよ。
知った名前の作家さんでもあったし、しんみりした。
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いま、分厚い本書を買って、まず最後部の清水アリカさんの年譜から見た。
競馬が好きだったみたいで、嬉しかった。
それから知り合い5名の方々からの言葉を読んだ(これは冊子が付録されている)
これもそれぞれに良かった。
分厚い本をペラペラめくっていると、自筆の創作ノートが掲載されていた。
亡くなった人の(しかもごく最近に)、その人の手書きは、つまりもう書かれることのない痕だから、フシギな感じがして、しばらくそのページをじっと見ていた。
もうこの人はこういう文字や絵(絵入りもある)をえんぴつかペンで書かないんだなあ、と思うとそれだけで本書を買ってみてよかったと思った。
買ったことそのことがずっと記憶に残っているであろう本はそう多くない。
装丁もセンスがいいし、とにかく二段組みだし、分厚い。
「革命のためのサウンドトラック」の、シゲルたちの淡々とした会話テンポが好きになった。
意味を理解するとか、言いたいこと、伝えたいこと、結論は何なのかなどを求めるとかではなくて、
書かれているそのもの、つまり、小説の中に流れているリズムや雰囲気を「読む」ことをすごく楽しめた。
実は今こそこういうタイプの小説が求められている気がするんだけれど……
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清水アリカさんはこの全集が出たことを知らない。
著者が知らないのに読者が知っている本。
読み終わったら、空?地面?(どこにいるんだろ?)に向かって清水アリカさんに感想を伝えようと思う。
ともかく、「この全集、大切にするからさ。」