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たいていはこのパターン。
けれど類まれな筆力が一旦読み始めると重さに投げ出すことなく
最後まで一気に読ませてくれる。
常に著者の作品に隠されたテーマとなっている家族。
それにメディア批判。
今回もそれは隠し味として存在。
メインは自力救済を禁じた法治国家という仕組みの中で
被害者の人権というものが如何に扱われているか。
そしてそこから生まれるゆがみ。
憎悪の自己増殖。
被害者遺族への感情移入を完璧にさせておきながら
加害者へのそれを直後にさせてしまう凄み。
立場が変わることで正義も変わる、相手の立場にたつということの難しさ。
そしてそれが容易にできないのならせめて出来ていないことを悟って
安易な感情洞察は避ける方がより傷が少ないということを教えてくれる。
秘めたテーマのもうひとつは案外 連帯保証人などという摩訶不思議な制度への問いかけかもしれない。
好みは大きく分かれるだろうが
様々なテーマ 様々な問題意識
これを避けることなく考えさせてくれることを評価したい。
後半部分の2人の心理こそが、この作品の中核で前半のショッキングな事件はその伏線に過ぎない。そういう意味では、最初の事件で引きつけて、後半へと流れ込ませる流れは実に巧い。
ただ、後半の一部に唐突に感じてしまう部分があったり、心理描写中心の後半は好みが分かれる部分が多いと思うので4点とした。
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