コーヒー・ミステリシリーズも9作目。最近は出版が1年に一冊ペースなのでじっくり味わって読みたいと思う半面、先が気になって結局一気に読んでしまいました。
今回はマダムの旧友が経営するコーヒーハウスに端を発した時限爆弾による放火や殺人事件を中心にストーリーが展開していきますが、主人公クレアの恋人マイク・クイン警部補のいとこでニューヨーク市の消防隊長であるマイケル・クインが再び登場し、2人の仲を邪魔します。
過去の因縁により今でも一触即発の関係にあるマイクとマイケルですが、二人を和解させようとクレアが原因究明に乗り出し、段階を追ってひとつひとつ解き明かされていきます。最後の方で分かる2人の不仲の決定的な原因はマイクにとってとてもつらいことで、クレアにマイケルを絶対に近づけたくなかった気持ちが理解できました。
様々な出来事を経てお互いを深く愛してることを再確認したクレアとマイクの関係は、今後より真剣なものとなっていくでしょう(すんなりとはいかないかもしれませんが)。
加えて元夫のマテオがマイクとの関係に悩むクレアにアドバイスをするなど、こちらも一線を引いた良い関係を築きつつあるようです。
余談ですが会話の中のみに登場する2人の娘ジョイに発覚した交際相手は、またもや両親が素直に喜べない相手。ジョイは男性を見る目を養った方がいいかもしれません。
また、作中にはわが身を挺して人命救助に当たる勇敢な消防士やその様子が書かれていますが、この作品自体が9.11で命を落とした消防士・救急隊員・警察官の方々に捧げられています。素敵なコージーミステリの陰に、アメリカのいまだ癒えぬ痛みを感じました。