これまで深海の生物はほんの数種類だけ知っていました。大きく優雅なリュウグウノツカイに、目の退化した真っ黒な魚に、ネオンのように発光するイカ。
そんな深海生物初心者に本書は刺激的でした。見開き2ページごと、もしくは1ページごとに1種類の生き物のカラー写真と解説が載るという構成。うつくしい、もしくは奇天烈な姿形、深海の環境に適応するよう独特に進化した生態は実に多彩なので、飽きずにページをめくる手を進めることができました。
他のレヴュアー様も記されているとおり標本の写真が多少混じっていますが、他に生き生きとした美しい写真が多くあるので、自分にとっては補って遥かに余りあると感じられました。それら美しい写真と決して軽薄ではない解説に伴って生命の進化の多様性が凝縮して迫ってくるように思われ、とてもたのしい気持ちで通読することができました。