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いつしか、かわいくないはずの子供たちまでが何だか懐かしくいとおしく見えて来る。まさに、ドキドキしながらしみじみしてしまう。
この「好きで嫌い」という相反する気持ちの正体はいったいなんだろう? 奈良美智のこどもたちはみな大きなつり目(三白眼!)だ。しかも、その目はこどもでありながら、世の中の暗黒面をすべて見てきたかのような目をしている。そして、みな同じように口を真一文字に閉じているのだ。
思うに、こどもは、こどもなりにしっかり世の中を見ているのではないか。ところが、彼らは、大人のように自由に操れる「ことば」や「論理」を持っていない。感じたことを、うまく表現できないも!どかしさに、いつもいらだっているのではないか。
そうだ! きっと、そんなもどかしかったこども時代の「自分」を思い出すのだ。思い通りに働かない頭、思い通りに出てこないことばにいらいらしていたこども時代。「こどもらしくない」といった不当な中傷に傷いたり、お愛想笑いひとつできなかったこども時代を思い出すのだ。こどもは、じつは冷酷で、残酷で、卑怯で、孤独で、どこかアンハッピーなものである。無邪気な天使など、いろうはずもない!
IT革命だ、パラダイム・シフトだとかいって騒いでいる世の中にあって、何の影響も受けない<普遍>を、私は奈良美智のイラスト世界に感じる。彼のおかげで甦る、とても「リアル」な思い出にゆったりと浸れるからだ。
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