壮大なアバンタイトルとも言うべき『朝比奈ミクルの冒険Episode00』を経て、いよいよ『涼宮ハルヒの憂鬱』本編が始まります。
原作はライトノベル、ジャンル的にはSFチック(これをSFと言うと激怒する方が多そうですが)スラップスティックコメディ・カオス仕立てと言ったところでしょうか。キョン(本名不明)と言う男子高校生の一人称視点で語られる各種SFテイストを混ぜ込んだ世界観と、その世界の(文字通り)中心に存在する涼宮ハルヒ、及び様々な思惑で彼女の周りに集まる、一風変わった登場人物達の非常に現実離れした設定やキャラクター性、そして彼らが織り成す破天荒な日常生活を描いて人気を博しているシリーズです。
原作同様このアニメ版もキョンの一人称視点でストーリーが展開していきますが、原作ではモノローグと会話との区別がつきにくい場面が多く、特に会話シーンにおいてぎこちなさを感じたのですが、ビジュアル及び声の演出を得た事でその点が解消されているのは嬉しい。また、原作ではややくどく感じられるキョンの心象表現が控えめになっている点も、「あのくどさが良いんだ」という奇矯な原作ファン以外には受け入れ易い要素と言えるでしょう。非常にアニメ化が成功している作品だという印象ですね。
ストーリー的には原作文庫本『涼宮ハルヒの憂鬱』119P位までをほぼ忠実に再現しています。キョンとハルヒの邂逅、全ての発端となるSOS団の誕生、長門有希、朝比奈みくるといった主要メンバーの紹介といった内容ですね。涼宮ハルヒの天上天下唯我独尊っぷりと、それに巻き込まれる周囲のあたふたっぷりが実に見事に表現されると共に、迷惑がりながらも実は少し楽しんでいるキョンの微妙な心理もしっかり描かれており、原作以上に魅力的な導入部分になっていると思います。
多くの伏線がどこまで解かれるのかが少し不安ですが、今後に充分期待を持たせる出来だとは思います。