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消費資本主義のゆくえ―コンビニから見た日本経済 (ちくま新書)
 
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消費資本主義のゆくえ―コンビニから見た日本経済 (ちくま新書) [新書]

松原 隆一郎
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

規制緩和と電子ネットワークの整備により、消費者の選択の幅は広がり、個人消費が拡大して経済の活性化に寄与する―。このような「通説」がこれまで信じられてきた。しかしそれは長引く不況にあえぐ我々をもはや納得させてはくれない。大型スーパーからコンビニや専門店へと消費の主導権は移り、また一方ではIT革命が進行するなか、既存の理論では説明のつかない日本経済の現実をどう受け止めたらよいのか。戦後の日本が歩んできた消費の歴史を振り返りながら、現代経済と日本の消費社会に柔軟な感覚で新しい光をあてる。

登録情報

  • 新書: 248ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2000/09)
  • ISBN-10: 448005863X
  • ISBN-13: 978-4480058638
  • 発売日: 2000/09
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By akiaki
形式:新書
そもそも資本主義は、一つの考え方として需要・消費と供給・生産が市場によって自動的に均衡する、ということが言われてきた。しかし、ケインズなどが指摘しているように、これら両者の間には乖離が生じる。それは特に過剰生産問題として登場する。これは、マーケティングにおいては生産・消費の乖離問題として扱われるが、本書は、これをより経済学的な立場に寄りながら、消費の視点からこれを解決する糸口を見つけようとするものであり、その結果、消費分析の必要性が主張される書と捉えられる。その意味で、本書はマーケティングにも示唆を与えるものであり、これを著者は『消費資本主義』として提示する。
その大まかな内容は、消費資本主義は、生産における技術革新と消費における欲望の拡大を両輪として資本を蓄積するものであり、しかも好不況の波や将来における所得も考慮する消費によって主に決定される、というものだ。具体的には、1.貨幣経済においては将来の不確実性が高まると需給に乖離が生じる可能性も高まり、なかでも個人消費の不足が不況の原因になるという消費不況説、2.消費は社会の中で消費者が自らを定位したり、商品の意味を解釈する行為であり、また習慣や他人の判断とのかかわりにおいて行われるとみなす広義の消費社会論、この2点を兼ね備えているが故に、消費を分析することの重要性が主張される。詳細は本書を参照されたい。
ここで、本書に対するコメントを1つ提示しておこう。
コメント1、本書の意義についての自分の解釈。
そもそも、経済学においては消費を分析する視点が弱い。経済学において、消費は効用を最大化するという選択問題とみなされ、生産とともに数学的な最適化分析の一応用分野として定式化されている。具体的には、セーの法則や消費者の合理性仮定の問題があり、消費を分析する視点が弱いことが指摘される。しかし、消費は選択的側面だけではなく、創造的側面(商品の消費においてどのような意味が社会的価値もしくは個人的欲望に託されているのか、その意味はどのような空間において形成・伝達されるのか、消費支出はどれほど貯蓄を抑えて景気に影響するのかなど、消費に関する実質的な議論)も持つ。消費が重視される今日、この部分にこそ、資本主義にかわる新たな概念、消費資本主義が必要である根拠がある。
このレビューは参考になりましたか?
8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By TMT
形式:新書
市場万能主義へ回帰しつつある,長期不況に悩む日本経済.しかしながら,その状況下においても,コンビニ業界など,成長を続ける業種・企業は多々存在している.本書の筆者は,従来の主流派経済学では所与のものとして軽視されつづけてきた,人が「消費」するメカニズムに焦点を当て,市場需要の変質を歴史的に分析した.そして,現在のコンビニ経済こそがIT化による日本経済のひとつの到達点であると指摘し,「現代消費」のメカニズムを明快に分析している.「流通革命」から「消費革命」へ.コンビニ経済が日本経済の到達点であるか否かは議論の余地があるが,経済・経営の‘現実の’しくみをじっくり考えるには,格好の書である.
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By u77 VINE™ メンバー
形式:新書
現在の主流な経済理論と対立する「消費資本主義」という概念を立て、消費の面から資本主義を歴史的に捉え直すとともに、日本の不況についての分析が述べられていました。

特に製造よりも流通・商業・金融などが産業を支えている局面では、生産という概念よりも生産を支える消費を表に立てて分析するという着眼点は斬新に感じました。また消費資本主義の類型は、経済史的な視点だけでなく、組織マネジメント・マーケティング・流通などの経営史的な分析としても大変興味を感じました。

硬派なテーマに柔らかい話題が織り交ぜられており読みやすかったです。経済学の歴史的な理論も要点が整理されていたので、知識がなくても補充しながら読み進めることができたのもよかったです。消費を中心に経済学を分析・構築した場合に、生産を中心にした場合とどのように異なる視野が開けて、どのような「ゆくえ」になるのか、その示唆が見えにくかったのが唯一残念でした。
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