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本書によれば,不況にも関わらずサラ金が盛況なのは,…サラ金の過剰融資という原因も確かにあるが…銀行が「非優良融資先」である一般消費者や中小事業者には融資を渋っている一方で,「優良融資先」であるサラ金には低金利で大量の資金を貸し付けているという事情によるところが大きい.銀行の与信能力が貧弱であるため,有望な事業者を選別できず,結果として「安パイ」であるサラ金にばかり金がまわるわけだ.私は,フランスやドイツでは,(利息の違いはあれ)銀行は弱者にも貸付を行うため,そもそも「サラ金」なるものが存在しない.という事実に驚いた.
そして,このような銀行の貧弱な与信能力に加えて,弁護士不足・裁判制度の機能不全という我が国の司法制度の稚拙さや,サラ金業者への行政の介入の拙さ,利息についての立法の不備,広告収入の関係でサラ金の実態を報道できないマスコミ(サラ金はニュース番組のスポンサーでもある)の不甲斐無さ,などが相俟って,サラ金問題が「社会問題化」することになる.
このような背景事情をきちんと書いているという点で,本書は評価できる.記述も分かり易く,お勧めです.
但し、なぜ、消費者金融(正確には大手消費者金融業者)がこれほど繁盛しているかということへの洞察は弱い。また、繰り返し似たような記述が表れるのも目障りではある。そのせいかどうか知らないが、読後感がいまひとつすっきりしない。
著者よると、消費者金融会社の中には、法律で定められた上限金利を上回る法律違反の会社もあり、取立て方法も悪質なものが少なくないそうです。これに対し、消費者金融に関する知識を得るための教育もないため、20代の若者の利用が増えていることが問題視されています。最近では、映画「夜逃げ屋本舗」や小説「火車」など、消費者金融の悪質な手口にはまり、抜け出すことのできなくなった人々を描いた作品も出てきていますが、CMでのイメージで軽くお金を借りる前に、読んでおきたい一冊だと思います。
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