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消費するアジア - 新興国市場の可能性と不安 (中公新書)
 
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消費するアジア - 新興国市場の可能性と不安 (中公新書) [新書]

大泉 啓一郎
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

中国の一人あたりGDPと上海をはじめとする大都市圏の繁栄ぶりとのギャップからわかるとおり、もはや国レベルの平均化された指標は意味を持たない。大都市圏ごとの新しい経済単位を使う必要があるのだ。本書は、注目を集めるアジア大都市圏の構造を「消費」の視点で分析、格差拡大や社会不安など懸念材料を現実に即して考察し、アジア経済の新しい見方とアジアの未来市場としての日本の立ち位置を示す。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

大泉 啓一郎
1963(昭和38)年大阪府生まれ。86年、京都府立大学農学部卒業、88年、京都大学大学院農学研究科修士課程修了。東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、京都大学東南アジア研究センターを経て、90年に三井銀総合研究所(現・株式会社日本総合研究所)入社。現在、調査部環太平洋戦略研究センター主任研究員。東京大学非常勤講師、法政大学非常勤講師。著書に『老いてゆくアジア』(中公新書、2007年、アジア経済研究所発展途上国研究奨励賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 237ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (2011/5/25)
  • ISBN-10: 4121021118
  • ISBN-13: 978-4121021113
  • 発売日: 2011/5/25
  • 商品の寸法: 17.6 x 11.2 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ttttt
政情不安の背景が分かるとか、消費地としてのアジアの現状と日本の立ち位置を知るとか、ビジネスの視点から読んでも非常に面白いと思う。

しかし私は、地方の相対的な没落、高齢化の進展、所得格差の拡大など、まるで日本の戦後史をなぞるかの様に、様々な社会問題が同時にアジア各地で進展している、という事実に非常に興味を持った。「高齢化などが各国に先駆けて訪れる日本は、課題先進国だ」、等という言葉をよく耳にするが、本書を読む事でそのリアリティがぐっと強まるであろう。この実感は、現代の問題を前向き且つ現実的に捉えて行く為に、不可欠だと思える。アジアの中で日本が果たすべき役割も、より明確になる。

また、人口の分散や地方分権、都市のアメニティも度々新聞などで話題になっている。しかし、それらの実現・改善の為には、今の国際社会でどの様な力学が働いているのか、正確に把握する必要があろう。現状を知る為に、本書に記載された各種データ、現地のレポート、著者の分析は大きな助けになる。

アジアについての本だが、外に目を向ける事で、日本の事がよく見える。
たとえ新興国に興味が無い人でも、現代社会に関心があるならば、是非読む事をお勧めしたい。
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13 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
 マスメディアで報道される中国、インド、東南アジアといった「新興国の躍進」という若々しいエネルギーに満ちた姿が、アジアの現状の一部にすぎないのではないかという疑問は、以前から私の中にわだかまっていた。実際にアジアを旅した時に目にする、全く原始的で、素朴な農村の姿は、100年前と、何ら変わっていないのではないかと思えたからだ。
 本書を読んで、私の「わだかまり」に理論的な裏付けがなされた思いであった。報道で目にする「新興国アジア」は「アジア諸国」ではなく、「アジアのメガ都市」の姿であること。その一方で、置き去りにされる農村の姿があること。そして、著者は本書の中で、アジアの「メガ都市」が「メガリージョン化」という形で、その範囲を広げつつある現実と、しかしその動きが必ずしも農村に達するとはいえないという難しさを同時に指摘している。前著「老いてゆくアジア」で、「アジアの若々しいエネルギー」というイメージの裏にある「アジアの高齢化」という事実を白日の下に示した著者が、今度は「脚光を浴びるアジアのメガ都市」の裏にある「置き去りになる農村」にスポットを当てている。ジャーナリスティックな視点に流されず、アジア全体を公平に俯瞰して分析する著者の視点に感服した。
 この「アジア二部作」で、アジアの真実のかなりの部分が解明されたように思う。しかし、まだ足りないパーツがあるのではないか。今回も、それを思わせる終わり方だった、次回作で、残ったパーツの解明がさらになされることを期待したい。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 糸音 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
かんがえてみれば「アジア」というのは曖昧なものである。特に近年の成長めざましいアジアの国々はどのようなまとまりとしてみたらよいのか。国としてくくって考えることができるのか。でも中国でも上海などは経済力や町の風景だけでなく、PISAで一位になったりとあらゆる面で先進国並みの発展を見せている。その反面、内陸部では貧困に苦しむ地域もある。先進国と発展途上国の両面を持ち合わせているのである。中国に限らず、タイやマレーシアも首都とそれ以外の地域には激しい格差がある。アジアは「国」という単位で平均しては正確な姿を描けない時代になっているのである。都市や地域を単位としてアジアをとらえ直す時代に来ている。都市単位で見れば上海、シンガポール、バンコクなどは日本と遜色ないレベルである。日本もアジアの一部としてとらえ直す時代に来ていることが実感できた。

メガリージョン、産業クラスターの形成、ボリュームゾーン、人口ボーナス、中進国のワナ・・・これまで聞いたことのあるものもあれば、今回初めて聞くものもあったが、アジアの国々の抱える問題を理解するに重要なキーワードである。また地方から都市への人口移動によるインパクトが都市の活力や地方の疲弊の背景にあること、都市から地方への富の移転がなかなか進まず、施策が逆目に出ることが多い、なども興味深い。また人口移動が国内問題にとどまらず、国際的な人口移動を含むというのはアジア以外の地域を理解するにも重要であろう。まさにアメリカこそ人口移動により活力を維持しているのであるから。本書で示された視点はアジアのみに活用されるものではないが、特にアジアを理解するために非常に有益な視点である。
特にタイの政治不安の説明にはすとんと落ちるものがあった。あれほど治安のよかったタイであのような政情不安が起こったのか。都市と地方の格差、地方の優遇と都市の貧困層の暴発などタイ国内の格差から驚くほど鮮やかに説明が付く。

これから高齢化に向かいつつあるアジアはどのような道をたどるのであろうか。
日本がトップランナーであり、手本であるというのはなかなかに面白い。アジアの諸国・諸地域の活力に押され気味の日本であるが、国として一歩二歩先行しているという見方もできる。日本が抱える課題はこれからもこれからもアジアの手本となろう。そう考えると活力も出てくるものである。

本書は非常に有益であったが、最後に一言。帯には「国別のGDPはもはや指標ではない」とある。「GDP」と「指標」が赤字で強調されているが、本書をきちんと読んだのであれば、赤字にすべきは「GDP」ではないことは明白であろう。この帯ではブータンのGNHなどの話かと思ってしまった。もう少し編集の力を期待したい。
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