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85 人中、82人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
事件は終わっていない,
By 図書館警察 (神奈川県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 消された一家―北九州・連続監禁殺人事件 (新潮文庫) (文庫)
衝撃的な本だ。届いて梱包を開けてから、一気に最後まで読んでしまった。
「凶悪」(新潮文庫)「新潮45」編集部 も併せて購入したが、本書に比べれば実にあっさりとしたものだ。 主犯・松永太は、7名の命を奪った連続殺害において「直接」手を下していない。にも関わらず、拉致監禁と電気ショックによって洗脳した被害者(子供を含む)家族同士を互いに殺させ合った手管は悪魔に等しい。まさにハンニバル・レクターを思わせるサイコパスだ。 しかしながら、松永は逮捕後も否認し続け、驚くことに親戚中が縁を切ったために一審は松永の人間形成が解明できないままに終わった。著者は松永の親戚筋から取材拒否されたこともあり、共犯で元愛人にして被害者同様奴隷状態にあった緒方純子を中心に本書を書き進めている。彼女も松永によって人格破壊を受けた「被害者」でもあり、著者はDV関連の本を地元記者に勧めたことから最終的にこの緒方と交流を持つに至る。 それはそれで意義あることであるだろうが、著者が緒方中心に書き進めるあまり、松永らに6年間拉致監禁、虐待を通り越した拷問と陵辱を受けた上に父親を殺害された少女の気持ちをスルーするかのような流れで腑に落ちない。 十代というもろい年齢にある少女が実の父親の遺体を自らの手で解体・証拠隠滅することを強いられた場面で、「ここで信じがたい事実を指摘しておきたい」と、少女への気遣いではなく緒方が妊娠中であったとことに言及するのだ。著者もまたこの異常な事件を追ううちに「些細なこと」は見過ごすようになったのだろうか?(逆に、あまり触れなかったのは少女への配慮かもしれないが) 実は本書を読み終えて間もなく、少女(現在は26歳)が松永の支配下にあったため、犯罪被害者給付金の申請が出来なかったことへの不支給裁定取り消しを求めていた判決が2010年7月8日に報じられた。事件はまだ終わっていないだけでなく、少女にとって一生その影は続くのだろう。 本書は労作ではあるが、また別の角度からのドキュメントが望まれる。
89 人中、85人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
誰もこの洗脳師には抗えない。,
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レビュー対象商品: 消された一家―北九州・連続監禁殺人事件 (新潮文庫) (文庫)
当時報道規制されたこともあり多くの日本人がその詳細を知らぬまま風化しかけていた事件。 私は新潮45の短編でおおまかな全体像は把握していたのだが。。。 〈読む前〉 ・なぜ誰も逆らうことなく殺しあったか ・なぜ(本家よりは世間体に縛られないであろう)婿入りしてきた体格のいい元警官まで逆らえなかったか 〈読後〉 ・残念ながら逆らえなかったのも無理はない この松永と言う稀代のワルと不運にもかかわり合いを持った時点で緒方家は全滅する運命だったのだと思わざるを得ない。あらゆる状況を鋭い洞察力と臆病なまでの警戒心、揺るぎない実行力で打破していくこの男の前ではどんな人間であろうと時を待たず奴隷にされてしまう、そんな迫力を感じた。校内弁論大会を中1で征し、安物布団を高値で売り付けて三階建ての自社ビルを建てた男に口論で勝てるはずはない。まして洗脳に関する研究者の書籍を熟読しどうやったら人を効率的に操れるかのみを長年に渡って研究し実践し経験を積み上げてきたプロの人形使いだ。きっと誰であろうと言葉巧みにいつの間にか蹲踞の姿勢で乳首にワニクリップが取り付けられ、通電によって思考停止状態にされるであろう。 もし自分がこの現場にいたら、、、読者は皆必ず想像すると思う。私はあらがえる自信がない。 ではこのような超危険人物からどうやって身を守るか。これはもう初期段階で逃げるしかない。関わりが深くなるほど弱味を握られ共犯に仕立てあげられ泥沼にはまりこんでいく。我々読者がこの本から得る教訓は、接近してくる人間をいかに早い段階で悪人と見抜くか、もしファーストコンタクトで見抜けなくても違和感やいかがわしさを感じた瞬間にすぐ逃げる嗅覚を普段から養っておく事だと思う。 緒方家は最初から純子を人質にとられていた。最初から命綱を握られていたのだから全滅も不可避であったと思わざるを得ない。不幸にも亡くなられた方々のご冥福を心からお祈りします。
71 人中、68人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
史上最悪の殺人:残虐すぎて映画化も不能か?,
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レビュー対象商品: 消された一家―北九州・連続監禁殺人事件 (単行本)
非常に丹念に取材して書かれていて、この事件については佐木氏のものよりこの本が優れていると感じた。
とにかくフィクションとしてもあり得ないほどの残虐さにまず驚愕させられる。 特に幼い子供にまで容赦なく電気拷問を浴びせる所には涙を禁じ得なかった。 松永のサディズムにはもはや人間性を感じさせるものは一片もなく、 血の通っていないサディズムモンスターとしか思えなかった。 ただ、総じて丹念に良く調べて書いてあるが、佐木氏本と同様に、この本も松永の 成育歴についての記述はもの足りなく思った。 松永の両親や親戚が一切取材を拒否しているということだが、 なんとかインタビューを成功させて、一体どういう少年時代を送ったら こんなモンスターが出来上がるのかをもう少し掘り下げて欲しいと思った。
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