たとえば、「『頭がいい』と『バカ』の差」について。2人は、記憶された情報を整理し、お互いを関連づけて、的確に表現できるかどうかや、「頭が真っ白」になるディスコミュニケーションの状態に陥るか否かなどのポイントに着目。最終的に、周囲との関係を遮断し、情報の入力をやめれば脳の働きはよくならないことを指摘している。ここで、自分の頭がどんな状態にあるかをチェックすることも可能である。
また、池谷は「脳は、ぜんぜん疲れない」「30歳以降に、脳の能力は飛躍的に伸びる」といった、脳に関する意外な事実を数多く教えてくれる。とくに記憶のカギを握るという「海馬」の研究の様子が述べられたところは、未知の領域に踏み込んでいくような興奮をもたらしてくれる。一方、そうした脳の科学を、クリエイティブな思考や生き方の問題などに押し広めて論じる糸井の話術はじつに巧みである。その知的好奇心のもち方には、見習うべきところが多い。
タイトルどおり、頭がよくなる可能性が科学的に証明されているほか、「よりよく生きる」ために頭をよくするという志の大きなメッセージが込められている。年齢とともに頭の働きも衰えると思い込み、マイナス思考に陥っているような人に、希望を与えてくれる1冊だ。(棚上 勉)
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22 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
糸井ファン向け,
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レビュー対象商品: 海馬/脳は疲れない ほぼ日ブックス (単行本(ソフトカバー))
感想はとにかく「糸井さん、しゃべり過ぎ。」ってことに尽きます。池谷氏が興味深い脳の話をして盛り上がってきたときに、糸井さんの 「俺って感性鋭いでしょ」的な例え(脳ってハリウッドに似てますよね、みたいな・・) で、話の腰を折るってパターンが延々つづく。 池谷氏も本心からか気を使ってるのかイチイチそれに感心してみせて、読むほうは シラけてしまいました。 途中から池谷氏の部分のみ読むようにしたら、そこそこ楽しめました。 難しい脳の最先端の研究を聞き上手な聞き手が噛み砕いて聞き出す、みたいな対談パターンを 期待してる人は、無理にこの本を読まなくても池谷氏の他の著作をお勧めします。 (ちなみに対談中に糸井氏は、その手の対談本にするつもりはなかったと自己弁護?してます) その方が中身も濃いし、池谷氏は上手な聞き手なしでも分かりやすい説明が天才的にうまい人ですから。 池谷氏も自身のそういう稀有な才能を、中身の薄い対談本やら監修本やらで使い回して 才能の無駄遣いをしないよう期待したいですね。
31 人中、29人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「面白い」だけでは終らせたくない価値,
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レビュー対象商品: 海馬/脳は疲れない ほぼ日ブックス (単行本(ソフトカバー))
この本を「面白い」、「明るくなれた」などと絶賛する人はいくらでもいるだろう。それは間違いではないので、そういうコメントは他の人に任せる。私はこの本の中にある情報を、日本の労働環境改善のためにも広めたいと思う。たとえば、やはり睡眠は8時間必要だということの論拠。また「脳は疲れないが、疲れているのは目だ」という意外な事実。 多くの読者はこの本を読んで、「もっとがんばれるぞ!」とやる気をみなぎらせたと思う。しかしちょっと冷静になって考えてみて欲しい。この本を読めば、ほんとうに効率のいい働き方や生き方がわかってくる。また現代日本の労働環境がそれに反している事も。 そういう意味でこの本のコンテンツは、「楽しいから読んでみて」というノリで多く!の読者を引きつけるするだけでなく、「これは必読だ!」くらいの強さでアピールしてもいいと思う。特に経営学や学生の一般教養などに取り入れてもいいくらい、実は重要な真実が隠されている。
14 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
脳はまだまだ働いてくれる,
By ぶんちゃん (愛知県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 海馬/脳は疲れない ほぼ日ブックス (単行本(ソフトカバー))
糸井重里と新鋭の脳学者池谷助教授の対談である。「うん、そうそう」「へ~え、そうなの」の連続だった。私は頭のいい人が好きなのだが、なぜそうだかこの本を読んで解明できたと思う。 海馬は、記憶の製造工場である。夜眠っている間に、起きていて入ってきた膨大な量の情報を「役に立つ情報」と「役に立たないから忘れていい情報」に仕分けをするのである。作業の間は外界の情報を遮断する必要があるから眠りが必要で、6時間かかるという。役に立つ、立たないの判断基準は「生存」に対してである。したがって、記憶にとどめたい事柄は、それを生存の危機と結びつけるようにすればよいのだが、さてどうやって。 ・ものとものとを結びつけて新しい情報をつくっていくことが、脳のはたらきの基本です。 ・脳はいつでも元気いっぱいなんです。一生使い続けても疲れないですね。疲れるとしたら、目なんです。 ・新規な刺激にさらされている人は、いつでも入力の判断をする海馬に刺激があるから、海馬の細胞が増えていく割合と消えていく割合とでは、細胞の増えていく割合が加速していく。 おすすめである。大ヒットしたわけだ。厚そうに見えるが、とても読みやすいから半日で読める。
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