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海辺のカフカ〈上〉
 
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海辺のカフカ〈上〉 [単行本]

村上 春樹
5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (339件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

15歳の誕生日、少年は夜行バスに乗り、家を出た。一方、猫探しの老人・ナカタさんも、なにかに引き寄せられるように西へと向かう。暴力と喪失の影の谷を抜け、世界と世界が結びあわされるはずの場所を求めて。

『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(1985)『ねじまき鳥クロニクル』(1994)に続く、1600枚の大作です。

内容(「BOOK」データベースより)

15歳になった僕は二度と戻らない旅に出た。彼は長身で、寡黙だった。金属を混ぜ込んだような強い筋肉を持ち、世界でいちばんタフな15歳の少年になりたいと思っていた。東京都中野区にもしある日、空から突然2000匹の生きた魚が路上に落ちてきたら、人々は驚かないわけにはいかないだろう。多くのネコたちは名前を持たない。多くのネコたちは言葉をもたない。しかしそこには言葉を持たず、名前を持たない悪夢がある。

登録情報

  • 単行本: 397ページ
  • 出版社: 新潮社 (2002/9/12)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4103534133
  • ISBN-13: 978-4103534136
  • 発売日: 2002/9/12
  • 商品の寸法: 19.2 x 14 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (339件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 4.0 読者の想像力が試される作品, 2005/3/18
By カスタマー
恥ずかしながら村上春樹氏の作品を初めて読みました。独特の寓話性というか発想に一種の衝撃を受け、今後過去の作品を読んで見たくなりました。この作品について言えば、読者のイメージ(創造力)を重視し、謎は謎のままあえて具体化してない点が良さかと思います。佐伯さんは、15歳の佐伯さんなのか50歳の佐伯さんなのか、田村カフカが愛したのはどちらなのか。またその佐伯さんを女性として愛したのか、失った母を求めたのか。また、佐伯さんはカフカに対し過去に失った恋人を求めたのか、それとも子供への愛なのか。過去と現在の時の狭間で動く心に永遠というテーマを感じました。また、ナカタさんという人間が入り口を開けてまた締めるというトリガーとして登場していますが、不思議な存在感を発揮し、作品全体の雰囲気を穏やかで神秘性のあるものにしているところも魅力かと思います。現実性に関し厳しい書評が多いですが、この作品に現実性は求める必要は無く、むしろ現実性は排除して読んで頂きたいと思っています。
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98 人中、76人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 万人受けではない, 2006/3/29
本屋さんで平積みしている人気作家の作品だからって、万人受けするとは限らない。村上春樹をよく読みこんでいる人の間でさえ、本作は毀誉褒貶が定まらない。だから春樹デビューをしたい人は、まず図書館などで借りて下読みしてから注文されることをお勧めする。 本作は村上作品の中でも特殊な文体で進行するし(カフカくんの章)、ナカタさんの章は童話的にほのぼのしていてホッとするからって油断して読み進んで行くととんでもない場面に出くわすのだ。コケると最後までたどり着けない。

物語の主人公カフカくんの自己制御力は15歳という年齢設定からすれば異常とも思えるほどだが、清潔を保つ習慣や体作りを怠らないこと、栄養バランスの取れた美しい食べ物を好み、孤独を孤独と思わず、クラシック音楽や古い文学作品を愛する教養などは、どれも作者・村上春樹氏の美意識に適っていることばかりである。逆に正反対ともいえる星野青年の造詣こそが、作者のプロとしての力の現れとも思える。

村上春樹の世界観を「分からない」と思える感覚はある意味で正常だと思う。この暗さ、救いの見えないやりきれなさ、痛みを万人が意識し出し肯定するような世界は異常である。恐らく春樹読者の半数くらいはあんまり面白いとは思っていないのではないだろうか。
村上春樹がいくらノーベル賞候補の聞こえの高い人気作家であっても、彼に引きずられて孤独を自覚する人が増えるよりは、素直に「分かりません、好きじゃありません」と言える人が増えたほうが健全である。ハマればのめりこむのは必須だが(私のように)。
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80 人中、62人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0 うまく化けきれていない狸みたいな, 2009/8/2
内容は深い。視点も相変わらず先を行っている。作者の文章力、構成力はずば抜けているから読み応えもある。でも、肝心の作品自体にオリジナリティがない。折衷主義に逃げていると言ってもいい。どこかで見たことのある展開。あふれかえる引用とオマージュ。

同じことサリンジャーが行ってなかったっけ?この言い回しはまるでブローティガンだなぁ…などなど。

別にそれが悪いというわけではないけど、春樹の場合、いつも引用が有機的に物語と結びついていないから、単なる情報の寄せ集めに見えてしまう。そのような作品からは、知識を香水のように振りまいた文化人の自意識しか感じられない。先人たちの功績を器用に盗んで、うまく消化して、それを「自己完結的に」混ぜ合わせているに過ぎない。そしてそのようなオムニバス的な物語が評価されてしまうということは、これからの文学のことを考えると非常に残念なことだと思う。

異質な人々との邂逅や不可解な謎。日常を揺さぶるそれらのファクターはすべて均等に薄められ、あるいは適度に誇張されて「エンターテイメント」として物語の世界にたち現れる。それを捏造とは言わないが、なんとなくシステマティックでよそよそしい感じがするのは、描写が淡々とし過ぎて生々しさが感じられないから。そして悲劇のファムファタールは主人公と交わり、搾取されて、人形のように「美しく」生き絶える。それがまた女性のナルシシズムをくすぐるのだ。まるで秀才の答案用紙のように、悲劇さえもきちんと整えられたこの物語は、素晴らしいと同時になんともいえない虚無感も抱かせる。

また、いつものように、登場人物が饒舌だ。そしてその口調もやけに「説明的」でわざとらしい。物語を読むと言うより、なにかの授業を受けているような気がする。登場人物を説明的な口調にしてしまうことで、本来のコミュニケーションのもつ自然さ、素朴さが失われてしまっている。それにやたらと読者を啓蒙するようなセリフが多いのもなんだか説教されてるみたいで不快だ。
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