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海賊の経済学 ―見えざるフックの秘密
 
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海賊の経済学 ―見えざるフックの秘密 [単行本]

ピーター・T・リーソン , 山形 浩生
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,995 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容紹介

「海賊は合理的な経済人だった!
面白くてしかもためになる。レヴィットらの
『ヤバい経済学』に続くひさびさに痛快な経済書だ。」
早稲田大学政治経済学術院教授 若田部昌澄氏絶賛!


~「訳者あとがき」より~

……海賊は通俗イメージの中でもかなり矛盾した存在だ。そしてその実態を見ても、かれらはとても不思議な集団だった。本書の記述を引用すると、

「経済学がなければ、海賊たちはわけのわからん矛盾のかたまりだ。サディストなのに平和主義。女好きなのにホモ。お宝を追い求める社会主義者。
頭がおかしいはずなのに当局を出し抜いてしまう。こっそり立ち回る犯罪者のはずなのに、髑髏と骨のぶっちがいの旗で自分の存在を派手に宣伝する。
リバータリアンのはずなのに仲間のほとんどは無理強いされて参加。民主主義なのに独裁的な船長、無法者のアナキストなのに厳しい規則の下で生活。
拷問好きのテロリストなのに、正直な人々から崇拝される。」

従来の海賊関連の本は、こうした必ずしも一貫しない各種の特性を「あれもあればこれもあったらしい、海賊もいろいろです」と羅列するにとどめる場合が多かった。
本書は、こうした海賊の不思議な矛盾した生き様を、経済学的な分析――それも利己的な利潤追求と合理性という、何のひねりもない経済学初歩の前提だけで導き、
不思議に思えた海賊たちの行動が、実はちゃんとした合理性に基づいていたことを示してくれる。かれらのやったことには、根拠と意味があった。
単なる気まぐれではないのだ。

そして海賊という楽しくも意外な例を使って、本書はインセンティブ、プリンシパル・エージェント問題、ガバナンス問題、フリーライダー問題、
意思決定コスト、規制緩和、シグナリング&ブランディングといった経済学の概念を非常にわかりやすく説明してくれる。

そして重要なのは、海賊たちが別に経済学なんか何も知らないのに、そうした高度な概念に基づく制度を構築していたということだ。
私利私欲の追求だけで、それが実現できてしまうのだ。そしてどん欲な犯罪者集団である――つまり通常でいえばワルいやつらであるにもかかわらず、
かれらは平等とか分権制とか民主制といった、好ましいどころか当時としては異様に先進的な制度を生み出した。いや、「にもかかわらず」ではない。
むしろそうした私利私欲まみれのごうつくばりだったからこそ、そうした制度が生まれた。
そう考えると、一見奇妙に思える海賊たちの行動も、かなりすっきり説明できてしまうのだ。

さてこれだけなら、いやぁ昔はおもしろい連中がいたもんです、ということで終わってしまう。でも本書はもっと大きな意義も持つ。
そしてそれは、リーマンショック以後の経済学的な議論においても、かなり重要なものだ。……


著者について

著者紹介

ピーター・T・リーソン(PETER T. LEESON)

1979年生まれ。ジョージ・メイソン大学経済学部教授。2005年に同大学にてPh.D.を取得。ウエスト・バージニア大学助教授を経て、2007年より現職。
2009~2010年には、シカゴ大学で客員教授も務めた。小さなときから海賊と経済学に関心をもち、右腕には需要供給曲線の刺青を入れているちょっと変わった経済学者。
迷信についての研究も進めている。本書が代表作であるが、その他の著書に、Media, Development, and Institutional Change(C. Coyneと共著)等がある。


訳者紹介

山形浩生(やまがた・ひろお)

1964年生まれ。東京大学都市工学科修士課程およびマサチューセッツ工科大学不動産センター修士課程修了。
大手調査会社に勤務するかたわら、科学、文化、経済からコンピュータまで広範な分野での翻訳、執筆活動をおこなう。
おもな著書に、『たかがバロウズ本』(大村書店)、『教養としてのコンピュータ』(アスキー新書)、『新教養主義宣言』『要するに』(以上、河出文庫)、『訳者解説』(バジリコ)など。
おもな訳書に、『その数学が戦略を決める』(文春文庫)、『アニマルスピリット』(東洋経済新報社)、『戦争の経済学』(バジリコ)、
『自由は進化する』『誘惑される意志』『「意識」を語る』『〈反〉知的独占』(以上、NTT出版)など多数。

登録情報

  • 単行本: 318ページ
  • 出版社: エヌティティ出版 (2011/3/22)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 475712242X
  • ISBN-13: 978-4757122420
  • 発売日: 2011/3/22
  • 商品の寸法: 19 x 13.2 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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海賊の経済学で著者リーソンは、1720年代までの海賊社会とは、無法という

1,海賊社会は、政府はなかったが、憲法をもち、民主主義的に船長、その他が選ばれていたこと、

2,海賊社会は、船長その他の取り分は、平民の2倍を超えないほどに平等主義であったこと(みなが同意しなければ、海賊行為という共同作業はうまくいかない)

3、海賊のドクロの黒旗は、反抗するものを虐殺し、幸福するものに慈悲を与えるシグナルとしてうまく機能していたこと

4,勇猛さは特別に遇され(海賊行為を効率的にするため)、さらに公共のために負傷したものは、大きな補償をもって遇されたこと(リスク回避のため)、

5,黒人もまたその働きに応じて平等に扱われたらしいこと(そのほうが海賊行為の効率的遂行へのインセンティブが大きい)

などを、経済効率性の原理から、矛盾なく説明する名著である。国家の法が及ばない場所において、どういった秩序が発生するのかについてはいくつかの先行研究があるが、この海賊の立憲民主主義と同じように、現代社会よりも平等に近いことが多いのは興味深い。

現代人は、国家に多くを期待しすぎて、かえって自らを不自由・不平等にしているという可能性を示唆する名著である。
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20 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By naichi トップ500レビュアー
「海の怪物」、「地獄の犬」、「盗賊」、「人の法や神の法を問わずあらゆる法への反抗者にして違反者」、「悪魔の化身」、数々の異名を取り、世界最強の政府ですら震えあがらせ、時代を作ってきた荒くれ者たち、それが海賊である。その海賊たち、政府のような中央集権的な組織もなく、法律もなく、各々が気まぐれに自分の利益を追求しながらも、なぜ繁栄し一時代を作ることができたのか。本書は、その秘密を経済学という切り口で解読した一冊である。

◆本書の目次
第1章:見えざるフック
第2章:黒ヒゲに清き一票を 海賊民主制の経済学
第3章:アナーキー 海賊の掟の経済学
第4章:髑髏と骨のぶっちがい 海賊旗の経済学
第5章:船板を歩け 海賊拷問の経済学
第6章:仲間になるか、それとも死ぬか? 海賊リクルートの経済学
第7章:獲物が同じなら払いも同じ 海賊は平等主義者?
第8章:海賊に教わるマネジメントの秘訣
エビローグ  経済学の普遍性
後期 ーーー 海賊は永遠に不滅です−海賊の没落と再興

表紙をめくるといきなり、「アニア、愛してる。結婚してくれますか?」と書いてある。どうやら著者が、自分の恋人にプロポーズをしているようだ。この切り込み方も、なかなかの海賊っぷりである。そんな著者はジョージ・メイソン大学の経済学部教授、まだ32歳の若さだ。そして、本書を購入するに至ったもう一つの動機が、翻訳者の山形浩生氏。『クルーグマン教授の経済入門 (ちくま学芸文庫)』、『その数学が戦略を決める』など、大学教授による経済関係の本を翻訳させたらピカイチの人物である。くだけた口語体のような文章は、シンプルかつ明解で、本書でもその才は如何なく発揮されている。

本書全体を通して、海賊社会における民主主義、秩序、情報戦略、人事採用、人権にいたるまで、幅広く紹介されているのだが、その特徴は面白いくらいに矛盾の固まりである。「サディストなのに平和主義、女好きなのにホモ。お宝を追い求める社会主義者、頭がおかしいはずなのに当局を出し抜いてしまう。こっそり立ち回る犯罪者のはずなのに、髑髏と骨のぶっちがいの旗で自分の存在を派手に宣伝する。」

この矛盾を紐とく鍵が「神の見えざる手」ならぬ「神の見えざるフック」、すなわち経済の合理性である。

特に興味深いのは、その情報戦略である。「陽気なロジャー」と呼ばれる悪名高き旗を掲げ、経済用語で言う「シグナリング」を行いながら海を航海する様は、ステータス表示を更新しながら、ソーシャルメディアを徘徊する現在の我々の姿に近しい。そして海賊達は、自分達がいかに非道な拷問を行う集団であるかを、PR戦略を駆使してその残虐性を効果的に伝達しようとする。海賊こそ、評判経済に行ける先駆者なのである。その狙いは何か?それは海賊たちが、被害者たちの制圧に無駄な稼働をかけることへのコスト意識を強く持っていたということなのである。

世の中はソーシャルメディアの浸透とともに評判経済へと移行し、世の中の価値基準は貨幣から評判へと大きく舵を切ったはずであった。しかし、そのソーシャルメディアが、一時とはいえ、震災をきっかけに一気に秩序の乱れたものになったことは興味深い事実である。善意で構成されたはずのこのメディアは、物資の不足や、基本的な安全性の欠如とともに、「評判だけで飯は食えない」という事実を突き付けられたとも言える。過度の貨幣至上主義は抑制されたのかもしれないが、人間の欲望や本質はそう大きくは変わらないということなのだろうか。

そういった観点から考えると、目的や手法こそ違えど、海賊社会に見られる「経済合理性を追求するための評判経済」というキーワードは、今後の新しい価値基準として注目に値するのではないだろうか。また、そういった深読みをしなくても、海賊のエピソードの数々は、それだけで十分に読者を楽しませてくれる。ぜひお試しあれ。
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Amazonが確認した購入
決して粗野なばかりではなく、結構統率された組織であった海賊。

それでも、上下関係はあまりない。

いま、起業されている会社もある意味海賊みたいなものかもしれません。
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