『信』さんも書かれているが、人を丁寧に描いているという意見に同感。
「BANANA FISH」「YASHA」等、ハードボイルドタッチの物語から「吉祥天女」のようなサスペンスタッチの物語まで、ストーリーを巧みに展開させる一方、「河よりも長くゆるやかに」「ラヴァーズ・キス」のように等身大の日常の中でもがく人々もしっかりと丁寧に描きこむ作者。
この「海街diary」は後ろのカテゴリーに属する話だが、相変わらずキャラクター造形や舞台設定が巧い。そして主要人物を見つめる眼差しも温かい。悲しい過去を背負わせても、展開の中で悲劇のどん底に突き落としても、最後にそっと救いの手を差し延べる。愛情、友情、優しさ、思いやり等、人の持つ“正”の感情の素晴らしさをそっと教えてくれる、そんな作品。