海のはなしをしよう。
まだ
誰も知らない
海の物語りを。
そんなセリフとともに、この物語は始まります。
主人公は女の子、琉花。
楽しみにしていた夏休み初日に、これまた楽しみにしていた部活でトラブルを起こしてしまい、顧問に「お前・・・夏休み中、練習来なくていいから」と言われてしまいます。
帰り道「わたしの夏休みはもう、終わっちゃったなぁ・・・」と落ち込みながら、地元の海と空を眺める琉花。そして、思うのでした。
「知ってる人のいない海に行きたいな・・・」と。
その思いを即、実行に移し、東京の海へ。そこで、まるで互いに引き寄せられたかのように出会うのです。「海」という名の少年に。
こうして、琉花の「長い長い長い夏休み」は始まるのでした。
著者、五十嵐大介、長編処女作です。
これまでの短編作品にも増して、その自然描写(海中、空、雲、風、雨、魚、鳥、虫、植物、哺乳類、光、闇・・・)は絶品です。
これを書いている現在、2巻までしか発売されていません。しかし、2巻までを読んだだけでも、ロングセラー(名作)になるであろうオーラを、この作品には感じます。
普通なら拒絶してしまいそうな突拍子もない物語展開も、素晴らしい絵とセリフ、それに実際に証明されている科学的事実を絶妙のタイミングで提示していくことにより、読者の好奇心と想像力を刺激し、読み出したら止まらなくなる見事なバランスを作り出すことに成功しています。
年齢や性別に関係なく、多くの人に読んでいただきたい作品です。また、子供へのプレゼントとしても、絵本や冒険小説、図鑑などと同じ感覚でお勧めできます。
星が4つなのは、第1巻のレビューであることと、今後のさらなる展開への期待をこめての評価です。