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前半の日中は老人と海のような海洋冒険と男の命がけの勝負というおなじみのパターンですが、日没と同時に孤独感と後悔に押し潰されて鬱の奈落に沈み込んで行く神経症的な初老の男の独白となります。
日中の冒険だけ拾い読みという読み方もアリだと思います。丸っきり絵の無い海洋冒険映画です。ただし、熱帯の海や海洋生物、釣りの知識を持ち合わせていないと沢山の訳注がうるさくて本当に楽しむのは難しいでしょう。「陽の当たっている砂底の浅瀬は安全だ。遠くから鮫の影がはっきりと見えるから。」このセリフが何を言っているか実感できればたっぷりと楽しめます。
夜のシーン、社交界の話、酒場の会話はスキップもありかも。当時の風俗を知らなければピンとこないし、パパのイメージを大きく破壊する部分が多く含まれています。
構成と展開は凄い。予測を許さない。ビミニ島での子供達との楽しい宝石のような夏休みの直後にいきなり「息子が死んだ。」ですよ!しかも戦死と自動車事故で相次いで! でもご安心、この作品は自伝ではなくて創作ですから。ヘミングウェイの息子は戦死も事故死もしていません。
読み切るのに気力と体力が要ります。短い文章で多くを表現しているので、斜め読みとかさらりと読み流せませんから。下巻では更に読破への道のりは険しくなります。
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