日本海海戦といえば,東郷司令長官の秘策「丁字戦法」と「敵前大回頭」.これを初めて知ったのは子供の頃,横須賀の記念艦三笠の売店で買った解説書でのことだったが,以来ウン十年,ずっと理解できなかった.だって,単純に考えたら,これでどうして勝てたんだ? と誰しも思うのではないだろうか.実はこれは虚構だった,その理由は...という説明は他書でも読んだが,本書がもっとも説得力がありようやく理解できた.それだけでもこの本を読んだ意味があった.内容全般には多少説明不足,拙速の感もあるが,日本海海戦の経過を中心に日露戦争の経過が簡潔に書かれた良書と考える.強いていえば,肝心要の海戦の解説図を,時間を追ってもう少しわかりやすく書いて欲しかった.