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投稿者: 風流亭無芸居士 (詳しいプロフィールを表示) 福永武彦は、常に斬新な小説技法を切り開き、しかも成功した人だった。作品に実験臭さはなく、スマートな出来映えだった。(同じような方法意識をもって執筆していた盟友の中村真一郎と比較すれば、一目瞭然です。中村真一郎は「四季」4部作で熟成するまで、本領を発揮できなかった。)中でも、この「海市」は、余人の真似のできない方法で書かれた作品です。この作品がなかったら、今日の村上春樹もいなかっただろうと、ちょっと大袈裟に言っておきましょうか。 もう少し、具体的に書きます。この作品は、主要な4人の登場人物の内部独白を短い断片に分け、連想の糸によって並び替え、つなぎ直されています。しかも、誰の独白か判らないよう... 続きを読む |
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