東郷平八郎元帥や坂の上の雲でメジャーになった秋山真之中将の陰に隠れた逸材について、史実に基づいた興味深い小説です。
しかしやや記録的と言いうか、ログ的というか、事象の記述が延々と続く感があります。島村速雄の人物像についてもやや型にはめた土佐のいごっそうステレオタイプな描き方になっています。本人を存じ上げませんので、本当にそうだったのかもしれませんが、小説としてはやや物足りないと感じました。
日本海海戦に至る戦況も、地名や海上の位置などが事細かに詳しく記されていますが、やや記号的で、その場所のリアリティが感じられません。図上演習について登場しますが、戦況の記述がまるで図上演習です。
総じて、興味深いテーマですが、まるで高校の日本史の教科書の特別編といった印象です。