先日手にした『
絶対に見逃せない! 海外ドラマBEST100』と本書を比較すると、前者が日本で現在BS・CS・DVDで見ることが可能な米国ドラマの<現物>を広くカバーしている一方、後者はこれから日本での放送やDVD販売が開始される予定の<先物>を中心に取り上げているという相違点があります。
両者を手にすれば、日本における海外ドラマ事情の一通りの現状を把握できるでしょう。
さて、そのこれから日本上陸が予定されるドラマのうち、まず取り上げているのがSF大作「フラッシュフォワード」。カナダの作家ロバート・J. ソウヤーの
同名SFを脚色した作品です。
本書は豊富で美しい写真とともに12頁に渡ってこのドラマの見どころを紹介。「ABCネットワークが09年秋にスタートした目玉番組で、初回放送は1250万人が視聴。放送2回目にして100を超す国や地域での放送が決まった。」(10頁)とあります。
この文章、実はクセモノです。「初回放送は1250万人」と書く場合は、2回目以降の視聴者数が激減したことを隠していると見てまず間違いありません。
ネットで米国の新聞記事を探したら、事実このドラマは2010年4月には視聴者数が600万人を切っています。かなり苦戦している模様です。
その次に本書が取り上げているのは「LOST」ファイナルシーズン。こちらも9頁に渡る大きな扱いです。
となると、本書の編集には、このふたつのドラマを放送するCSチャンネルAXNがかなり深く関与しているのではないかと邪推してみたくなります。
しかしこの「LOST」と「フラッシュフォワード」が本国で視聴率に苦しんだために、しばらくSFはいいや、という気分がアメリカのテレビ業界には漂っているんだとか。
そうした都合の悪い話は掲載されていないムック本だということを念頭に置いて手にとる必要がありそうです。