現代かなづかいですが、多少難解な文章で書かれていますので、読解力と予備知識があればいいと思います。
項目は表題の「海上の道」ほか数篇。けっこう分量があります。
主に沖縄地方を中心(発端?)とした日本民俗学とでも言えばいいでしょうか。私には文章が難しく、正直理解できない部分が多々ありました。
ただ、そんなこととはまったく関係なしに、この「海上の道」という文章には、個人的な思い入れがあります。
その一つは、私が十数年前(1990年代)某N大文理学部を受験したときに、この「海上の道」が現国の入試に出題され、見事に玉砕した経験がある、というまったく個人的な理由によるものです。
翌年また同じ大学を受験しそのときは合格しましたが、合格した方の入試問題はほとんど覚えておらず、失敗した方を今でも忘れずにいる、ということは、今もって複雑な想いがあります。
またもう一つの思い入れは、最近、TVアニメーションで放映された『かなめも』という番組の中で、童謡『椰子の実』がとても綺麗で落ち着いた歌声で、歌われていたことです。
童謡『椰子の実』は、もともと柳田国男が愛知県の海岸で椰子の実を拾った経験を、友人の島崎藤村に話し、島崎藤村がその話をもとに詩を書き、それからのちに曲がつけられて童謡なった、ということが「海上の道」にも書かれていますが、偶然にもテレビで『椰子の実』を聴いたことで、「海上の道」の存在を思い出しました。
それで最近になって初めて「海上の道」の全部を読み、自分の中で遠い昔に忘れていた、かすかな目標が十数年過ぎた今になって、ようやく達成されたような気がしました。
日本民俗学にとっては重要な位置を占めるこの「海上の道」ですが、私にはこの二点をもって、ほかの人とはまったく関係ない感慨を抱いております。ま、個人的なことなので読書の参考にはならないかもですけど・・・。