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海も暮れきる (講談社文庫)
 
 

海も暮れきる (講談社文庫) [文庫]

吉村 昭
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

さすらいの俳人・尾崎放哉の凄絶な死。
咳をしても1人
之でもう外に動かないでも死なれる
肉がやせて来る太い骨である
いったんはエリートコースを歩みながら、やがて酒に溺れ、美しい妻に別れを告げ流浪の歳月を重ねる。小豆島で悲痛な死を迎える放哉の生涯を鮮烈に描く。

著者について

 

登録情報

  • 文庫: 276ページ
  • 出版社: 講談社 (1985/9/9)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4061835335
  • ISBN-13: 978-4061835337
  • 発売日: 1985/9/9
  • 商品の寸法: 14.6 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 133,810位 (本のベストセラーを見る)
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形式:文庫
吉村昭が亡くなった。多くの傑作があるが、一番思い出深いのは尾崎放哉を描いた本書。現代では車谷長吉を思わせる流浪の歌人だが、西行から芭蕉、種田山頭火の系譜の最後尾に位置づけられるとはいえ、尾崎は歴とした現代資本主義下のサラリーマンの一人なのだ。そして帝大卒のエリートでもある。彼が奉職したのは、帝国主義下ニッポンの保険会社であった。

しかし、かれは転落に転落を重ね、北陸の寺男や京都山科の一燈園にも身を寄せて雑務に従事するが、曲折への悩みからか酒に溺れる。そして小豆島に定住したいと願い、それが叶い、そこで死を迎える。吉村の筆致には叙情に溺れるところは全く無い。一貫したテーマともいえる組織のなかで敗れてゆく人間を冷徹に描いているのだが、そこには公平さとあからさまではない愛情がこもっており、読後も静かに胸底に響くものが残る。

文芸誌の追悼の文章で、花村萬月が「師」と書いていたのが印象的だった。
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15 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
放哉の晩年が非常に生々しく描かれ、放哉の惨めな酒乱ぶりや、肺病が進行し、衰弱して死んでゆくのに立ち会っているような気にさえなってくる。一方で、放哉のアルコール依存症と肺病が進行すればするほど、彼の句はいよいよ研ぎ澄まされていった。その辺の記述があまりにも足りない。なぜ彼は、酒毒と貧困と病のどん底で、あれだけの澄み切った句を大量に詠むことができたのか。それはほとんど一つの文学の奇跡であったはずなのだが、この点についての吉村氏の解釈をドラマ化して描けていれば、伝記文学としてもっとバランスの取れた作品になっていたと思う。この作品では、放哉の晩年の惨めさばかりが強調されているので、読み終わった後は自分まで憂鬱になって、放哉の句集を読みながら、酒をあおって酔いつぶれてしまった。
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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
壮絶な死 2003/10/29
形式:文庫
死と隣り合わせで生きてゆくことがどんなことなのかが想像できる作品。死へのアプローチの寂しさや孤独、恐怖が、放哉の自由律俳句によってとてもよくわかる。わかり過ぎる。まるで自分の躰が結核菌に蝕まれているかのようにすら錯覚してしまう。

死は突然に現れ、ひっそりと運び去っていった。しかしあとには彼、放哉の壮絶な人生の記憶と言葉をそぎ落として簡潔で美しい俳句が残った。

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