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海の仙人 (新潮文庫)
 
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海の仙人 (新潮文庫) [文庫]

絲山 秋子
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (35件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

宝くじに当った河野は会社を辞めて、碧い海が美しい敦賀に引越した。何もしないひっそりした生活。そこへ居候を志願する、役立たずの神様・ファンタジーが訪れて、奇妙な同居が始まる。孤独の殻にこもる河野には、二人の女性が想いを寄せていた。かりんはセックスレスの関係を受け容れ、元同僚の片桐は片想いを続けている。芥川賞作家が絶妙な語り口で描く、哀しく美しい孤独の三重奏。

内容(「MARC」データベースより)

背負っていかなきゃならない最低限の荷物-それは孤独。海辺の街にひっそりと暮らす青年とふたりの女と出来そこないの神様・ファンタジーが奏でる切ない愛の物語。『新潮』掲載を単行本化。第130回芥川賞候補作。 --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 170ページ
  • 出版社: 新潮社 (2006/12)
  • ISBN-10: 4101304513
  • ISBN-13: 978-4101304519
  • 発売日: 2006/12
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (35件のカスタマーレビュー)
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最も参考になったカスタマーレビュー
11 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
珠玉の作品 2007/4/3
形式:文庫
消費社会を象徴するかのごとく、読み捨てにされる作品が多く
出回るこの時代に、このような素晴らしい作品と出会えたこと、
非常に感慨深い。

「役に立たないが故に神なのだ」

胸に響く一言。

愛情、絆、命・・・
この世の中の結びつきについて、短い文章で
多くのことを教えてくれるこの著書は大変素晴らしい。
何度も何度も繰り返し「行間を読む」、
そこから得る物はとても大きい。

福井県・日本海の情景と、そこで織りなされる人間関係が
いつまでも記憶に残る、まさに「珠玉の一品」。

何かが始まるこの時期に読む。是非。
 
このレビューは参考になりましたか?
10 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By デルスー VINE™ メンバー
形式:単行本
ほとんど「仙人」のように暮らしている主人公が、
冒頭から「ファンタジー」という名の謎の人物に遭遇する。

この設定からして、
「これから思いっきり浮世離れしたおとぎ話を語りますよ」という、
作者のサインは明らかだろう。
展開の現実性の乏しさに文句を付けたりするのは
いささか筋違いというものだし、
私自身が浮世離れした人間なのかどうか、
読んでいて全くありえない話だとは思わなかった。

この小説の登場人物は皆、
表面上はどこかおちゃらけていたり
根っからのすれっからしのようなポーズを取っていたりするが、
一皮剥けば、直球過ぎるほど直球というのか、
ものすごく真面目でナイーブな人たちばかりだ。
あえて欠点を指摘するなら、
新潟への旅を境に急激にシリアスなものになる後半の展開は、
作者の胸中がストレートに吐露され過ぎているように思える。
少なくとも、「ファンタジー」との噛み合わない会話が、
どこかとぼけた味を出していた前半に比べると、
やや結論を急ぎ過ぎているような印象を受けた。

とはいえ、風景描写や比喩の使い方の確かさは
ちょっと比類のないものだし、
周到に隠そうとしても抑え切れずに溢れ出る
作者のストレートさ加減に
むしろ好感を抱いてしまったこともあって、
☆四つという評価になった。

このレビューは参考になりましたか?
9 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
ハッピーエンドな愛を満喫したければ他を読めっ!

...と言わんばかりの切ない物語。

絲山作品は、 『逃亡くそたわけ』 、 『袋小路の男』 についで3作目。

いずれの物語でも、ふたりが幸せに結ばれることはないけれど、

登場人物たちの木訥(ぼくとつ)とした優しさが胸にじんとくる … (-公-。)

この物語...カッツォにあれほどの心の傷を持たせることが、

物語を成立させる上で必要なのか考えてしまった。

カッツォがかりんを抱けないだけの理由にしてはつら過ぎる...

宝くじで3億円当てたカッツォの仙人生活は、

社会とのつながりを断ち切って人生を謳歌しているというよりも、

むしろ、社会からはじき出された弱者の隠遁生活に近いだろう。

そこにしか定住できないカッツォ....

次々とすみかを代えるヤドカリはあこがれ?

ある一面、孤独な仙人生活も、心の傷がトラウマになっているのか?

そもそも "ファンタジー" って何?

神?まぼろし?孤独なカッツォの多重人格?

この話、深い心の傷を持った人への静かな応援歌なのかもしれない。
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最近のカスタマーレビュー
依存しない登場人物たち
ともかく全ての登場人物が他人に依存していない。
居候しているファンタジーでさえ
主人公・河野には手が掛からないと思われている。... 続きを読む
投稿日: 3か月前 投稿者: Kazu
感情が消えない
文庫化された絲山作品を固め読みして、今作がその最後の一冊(もうじき(9月30日)『ばかもの』が文庫になるので次はそれを読むつもりです)。... 続きを読む
投稿日: 20か月前 投稿者: blackboy
傷ついた大人達へ
 好きになる、ということは相手をまるごと受け入れることなのか?... 続きを読む
投稿日: 24か月前 投稿者: まややん
描写は圧巻、ただラストが少し残念
福井県敦賀市を舞台にした作品。

描写に長けていて、現実世界の乾いた孤独感が見事に表現されています。... 続きを読む
投稿日: 2009/5/11 投稿者: kaguya77
性、そして家族から遠く離れて
絲山秋子の小説ははじめてだが、語の使い方、展開のもっていき方、どれをとってもうまいなぁーと唸らされてしまう。突如として現れる、「ファンタジー」という名の得体の知れ... 続きを読む
投稿日: 2009/4/24 投稿者: 倒錯委員長
乳がん専門医として一言。
個人的には、絲山秋子の最高傑作だと思う。
他者との過剰な交わりを避けながら、誇り高く生きるもののところに現れる「ファンタジー」。... 続きを読む
投稿日: 2008/8/25 投稿者: ゆりさ信介
役に立たないが故に
冒頭からイメージしたものとはまったく違った展開に、短い話ながらもひきこまれた。... 続きを読む
投稿日: 2008/8/5 投稿者: 香桑
川上弘美の亜流
「ファンタジー」などという得体の知れない存在が登場するあたり、川上弘美の亜流でしかない。芥川賞受賞作に比べると、そういうものを導入した時点で、作者の独自性は損なわ... 続きを読む
投稿日: 2007/11/12 投稿者: 小谷野敦
あっさりしていて、もう少し奥行きが欲しいところ
 糸山さんの小品。
 「沖で待つ」を読んで好感を持っていたので楽しみに読んだのだけれど、これはあまりすんなりと入っていけなかった。... 続きを読む
投稿日: 2007/10/18 投稿者: Masashi Yamanaka
涙は出ずに
繊細なテーマを図太さでくるんだような小説。一文一文は雑でなく、むしろ丁寧なのに、全体として武骨な感触を残す。結果、「涙は流れないが心で泣く」作品になった。続きを読む
投稿日: 2007/9/6 投稿者: シロフォン
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