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この設定からして、
「これから思いっきり浮世離れしたおとぎ話を語りますよ」という、
作者のサインは明らかだろう。
展開の現実性の乏しさに文句を付けたりするのは
いささか筋違いというものだし、
私自身が浮世離れした人間なのかどうか、
読んでいて全くありえない話だとは思わなかった。
この小説の登場人物は皆、
表面上はどこかおちゃらけていたり
根っからのすれっからしのようなポーズを取っていたりするが、
一皮剥けば、直球過ぎるほど直球というのか、
ものすごく真面目でナイーブな人たちばかりだ。
あえて欠点を指摘するなら、
新潟への旅を境に急激にシリアスなものになる後半の展開は、
作者の胸中がストレートに吐露され過ぎているように思える。
少なくとも、「ファンタジー」との噛み合わない会話が、
どこかとぼけた味を出していた前半に比べると、
やや結論を急ぎ過ぎているような印象を受けた。
とはいえ、風景描写や比喩の使い方の確かさは
ちょっと比類のないものだし、
周到に隠そうとしても抑え切れずに溢れ出る
作者のストレートさ加減に
むしろ好感を抱いてしまったこともあって、
☆四つという評価になった。
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