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海にはワニがいる
 
 

海にはワニがいる [新書]

ファビオ・ジェーダ , 里見有 , 飯田 亮介
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

エナヤット少年の家族は、アフガニスタンの小さな村で暮らしていた。だが、村はタリバーンが政権についてから激しい迫害の標的となる。父が死に、学校も閉鎖され、エナヤットの身を案じた母は10歳の彼を隣国パキスタンへと連れだした。  しかしその母もある夜突然に姿を消し、エナヤットは異国でたったひとりになる。それは、孤独で過酷なさすらいのはじまりであった。働いて食べ物と寝る場所を得ながら、少年は生きる場所をもとめて国境を越える。イラン、トルコ、ギリシア――肉体も精神も極限の密入国を繰り返し、いくつもの死を目撃しつつ、5年ののちにエナヤットは故郷から5000キロ以上離れたイタリアにたどりつく……。      *       *     家族とは、国境とは、安住の地とはなにか? 静かな視点ですべてをふりかえる少年との対話をもとに、イタリア人作家がその旅の記録を再構成した本書は、イタリアで最高峰の文学賞ストレーガ賞の候補にも挙げられベストセラーとなった。世界27カ国で翻訳され読者の心を動かしている。

内容(「BOOK」データベースより)

パキスタン、イラン、トルコ、ギリシア、そしてイタリア―アフガニスタンを逃れた10歳の少年は、母が消えた翌朝からただ一人、安住の地をさがしもとめ命をかけて国境を越え、旅をつづけた。少年の苛酷な彷徨を、近しくも静かな視点でときにユーモアをまじえて描きイタリアをはじめ世界中の読者の心を動かした、事実にもとづく物語。

登録情報

  • 新書: 224ページ
  • 出版社: 早川書房 (2011/9/9)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4152092378
  • ISBN-13: 978-4152092373
  • 発売日: 2011/9/9
  • 商品の寸法: 17.6 x 11.2 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 296,007位 (本のベストセラーを見る)
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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Gori トップ500レビュアー VINE™ メンバー
主人公の少年、エナヤットは、「よりよい暮らし」を求めてアフガニスタンを出国した。
エナヤットの望む「よりよい暮らし」派、決してお金持ちになるなんてことではない。
きちんと食事を摂り、毎日、学校に通い、する仕事があることだ。
国はちっともそれをかなえてくれない。

エナヤットの村は少数民族のハザラ人の村で、政権を取ったタリバーンと多数派の
パシュトゥン人から、迫害を受けていた。なぜ同じ国に住む民族が憎しみ会わなければならないのか。

エナヤットは国境の山を越え、大河を横切り、荒海を乗り越えて、密入国を繰り返した。
イラン、トルコ、ギリシア……仲間たちが命を落とす中、エナヤットが安住の地を見つけたのは
イタリアだった。

日本はなぜこういった難民の受け入れに消極的なのか。
日本には、国家としてのノブレス・オブリージュ(仏: noblesse oblige)
「位高ければ徳高きを要す」が求められているのではないか。
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世界には自分の生まれた国、生まれた故郷をやむを得ない事情で去らねばならない人が大勢いて、こういった人たちが難民と呼ばれるのですが、できるだけ多くの国がそういう境遇にある人を受け入れるよう努力すべきだろうと読了後益々思うようになりました。それにしても人種問題や原理主義的な宗教の問題は世界的に克服すべき問題点として重く圧し掛かります。他者に非寛容で過激な宗教に手足を雁字搦めにされる人生って何て詰まらないんだ、そんな人生なんて真っ平御免だと主人公の流浪の旅が、そして主人公の生まれた国の荒廃が教えてくれているのではないでしょうか。それにしても長編好きな私としては『脱出記』くらいのボリュームで読みたかった、それが唯一残念な点。
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ある日、アフガニスタンに内乱が起き、母は10才の少年を隣国パキスタンの町に放置した。ただ歩いているだけでイチャモンをつけられて、殺されたりするようになったためだ。少年の父は行方不明になり、少年の恩師は教えているというだけで、少年の目の前で銃殺された。その後、少年は5年の歳月をかけて、5つの国境を越える。いっしょに国境越えを計った仲間が次々と斃れても、彼は安心して学校に通える普通の生活を勝ち取るまで、命がけで国境を越え続けた。
その5年間の異国での暮らしと命がけの国境越えの様子が淡々と語られている。淡々としているからこそ、リアルに迫ってくるものがあるが、語り口に暗さがみじんも感じられないので、彼が限りなく悲惨な暮らしを強いられていることをうっかりしてしまいそうになる。
少年は国境を越えながら成長し、現在はイタリアで暮らしている。彼には命をかけても手に入れたいものがあり、それを追い求めて手に入れた。ぎりぎりまで追い詰められても、彼の母のように年端のいかない子供を国外に放置したり、彼のように命をかけて国境を越え続ける人間は少ないだろう。多くの人は不安に怯えながら、それまでの生活を続けるだけで、思い切って国境を越えたりはしない。生活に埋もれず、生活の中から目標を見つけ出し、それを追う体制を作ることは、どんな環境にあっても難しいことだ。しかしどん底にあっても希望を捨てないことで、人は人間らしく生きられるのかもしれない。
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