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浮雲 (新潮文庫)
 
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浮雲 (新潮文庫) [文庫]

林 芙美子
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

第二次大戦下、義弟との不倫な関係を逃れ仏印に渡ったゆき子は、農林研究所員富岡と出会う。一見冷酷な富岡は女を引きつける男だった。本国の戦況をよそに豊かな南国で共有した時間は、二人にとって生涯忘れえぬ蜜の味であった。そして終戦。焦土と化した東京の非情な現実に弄ばれ、ボロ布のように疲れ果てた男と女は、ついに雨の屋久島に行き着く。放浪の作家林芙美子の代表作。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

林 芙美子
1903‐1951。山口県下関市生れ。1918年尾道高女に入学。’22年卒業すると愛人を追って上京。翌年婚約を破棄され、日記をつけることで傷心を慰めたが、これが『放浪記』の原形となった。手塚緑敏という画学生と結ばれてから生活が安定し、’28年「女人芸術」に「放浪記」の副題を付けた「秋が来たんだ」の連載を開始。’30年『放浪記』が出版されベストセラーとなる。他に『稲妻』『浮雲』等があり、常に女流作家の第一線で活躍しつづけた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 473ページ
  • 出版社: 新潮社; 改版 (1953/04)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4101061033
  • ISBN-13: 978-4101061030
  • 発売日: 1953/04
  • 商品の寸法: 15 x 11 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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形式:文庫
戦後の退廃した時代を舞台に、安南で出会い、すごした美しい思い出が忘れられず、

盛りを過ぎた愛にしがみつく女と、別れたいのに女を突き放しきれない男の腐れ縁の物語。

物語の最初のほうで語られる安南での夢のような日々。一方内地に引き上げてからの

住む場所にも事欠くような鬱々とした日々。その対比が二人の色あせた関係のわびしさを

いっそう際立たせている。物語はゆき子と富岡の視点から交互に語られるが、

他の男に生きるために頼るものの、富岡だけを一途に想うゆき子と、次々と他の女に

目移りしつつ、わずらわしくなってきたゆき子を捨てきれない富岡に、男女の典型的な

恋愛間の違いを見せ付けられる気がする。
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19 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
恋愛小説の傑作といえば、なんといってもこの「浮雲」。
男と女の切れそうで切れないぐずぐずした腐れ縁が、見事に書かれている。恋愛の本質が濃密に表現されていると思う。
私にとって、「富岡」はまさに「男」、「ゆき子」はまさに「女」。
富岡のクールな感覚は、男そのものだ。それでいて芯には優しさがあるのだけれど。
最後の場面が悲しいけれどもとても好きです。
このレビューは参考になりましたか?
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
理想主義者で、仕事が好きで、そして女性に弱い男、富岡。夢を抱かず、富岡がどんな女と関係を持とうが一心に愛し続ける女、ゆき子。
終戦直後の混乱の中で、その日その日をあがくように暮らす男女の姿。ひたすらに落ちていく絶望の底で、人間が何を考え、何を愛するのか。激動の時代の中で、愛の姿をとことん突き詰めた名作です。

ゆき子の心は林芙美子そのもの。そして富岡は後に建築家として名を成す白井晟一がモデルになったと考えられます。小説の中でゆき子は林芙美子のように突然の死を遂げ、富岡は生涯の仕事に行き着く。ゲーテの『ファウスト』のテーマを、女性の視点から、終戦直後の日本で展開したとも言えるでしょう。

絶望を垣間見ている今の日本人にとって心に響く究極の恋愛小説といって過言ではありません。
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