著者は雑誌Numberにフィギュアスケート関連の文章を多く書いている人で、浅田真央の家族とも親交が深いようです。
そのこともあってか、この本に関しても写真提供の面で、家族サイドから全面的な協力を得ているようで、挿入されている写真はかなり充実しています。
浅田真央が子供の頃の写真や、最近の犬の散歩をするプライベートな写真もあります。
「浅田真央、15歳」というタイトルから、写真集だと勘違いする人もいるようですが、そういう人でも満足できるでしょう。
ただ、文章に関しては、アスリートとしての浅田真央を知りたいと思ってこの本を手に取った人は、やや拍子抜けかもしれません。
もともと著者の宇都宮直子は、Numberのライターに多い情緒的なスポーツ記事を書く人なのですが、それに加えて、この本ではコーチやスケート関係者の証言がほとんど無いのです。
母親の匡子さんを中心とした家族サイドの証言で、主に構成された本です。
また、浅田真央をやたらイノセントな少女として扱って「赤ちゃんのよう」「愛犬のエアロにそっくり」というような表現が目立つのも、個人的には気になりました。
浅田選手自身もやんわりと抗議しているような印象です。
もっとも、少々気になる点があるとしても、花のある天才スケーターとして人気を集める浅田真央についての、リンク外のエピソードを散りばめた貴重な本だと思います。
参考までに、宇都宮直子が過去にNumberに書いた記事では、山田満知子コーチや、同じグランプリ東海クラブの先輩でもある伊藤みどりの証言もあり、バックナンバーはまだ入手できるようです。(633号 / 2005年7月28日発売)
トリノ五輪のプレビューを書いているNumber646号(2006年2月2日発売)も、充実した記事で、今になって読み返してみるとなるほどと思わされます。
無い物ねだりをするのはやめにして、この本の星は4つにしました。