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浅岸村の鼠
 
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浅岸村の鼠 [単行本]

森 荘已池 , みや こうせい, たなか よしかず
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,470 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

遠野物語を生んだ東北岩手に埋れていた極上のフォークロア。奥羽と北上の山なみに育まれた詩的心情は「不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心」―石川啄木、宮沢賢治、森荘已池と各々十年を隔てて開花した。賢治をして「あなたを尊敬する」と言わしめた森荘已池が、言霊の幸ふまほろば盛岡の土に根差した言の葉で、鼠たちのまなざしに託して綴る短篇寓話。

内容(「MARC」データベースより)

遠野物語を生んだ岩手に極上のフォークロアが埋もれていた-。あの宮沢賢治をして「尊敬する」と言わしめた著者が、東北盛岡の土に根差した言葉で昭和の空気を描く短篇寓話。

登録情報

  • 単行本: 140ページ
  • 出版社: 未知谷 (2002/10)
  • ISBN-10: 4896420624
  • ISBN-13: 978-4896420623
  • 発売日: 2002/10
  • 商品の寸法: 19 x 13 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 970,596位 (本のベストセラーを見る)
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形式:単行本
鼠の話――それが、どこか語りものを思わせる呼吸の文章で、当たり前のように人間同様の姿で展開されていく。その当たり前さが妙だ。なにしろ鼠たちは住みついている家の人間の名前を自分たちの呼称にしていて、人間と鼠とがごく自然な共存関係にあった状況を反映している。人間のなかには鼠をモチーフにして絵を描き賞金をせしめる画家もあるから、その関係は必ずしも一方通行ではない。そのあたりもじつに妙で面白い。
で、人間の生活の変貌はそのまま鼠の生活にも関わってくる。折から日中戦争が泥沼化して太平洋戦争の前夜という時代。平穏な日常が否応なしに時代に揺すぶられるさまが土地や時代の風俗に重なって見えて興味深い。鼠の母親は何匹も仔を生むと必要な数を残し、あとは食べてしまう云々!それが「産めよ殖やせよ」の掛け声で産児奨励に変わっていく。人間の世界の揺れがそのまま鼠の世界に映しだされている。お喋りなおかみさん鼠も、しかつめらしい演説をする鼠も、やはり鼠だ。鼠のリアリティを感じさせるから妙なのだ。
秘密はどうやら語り口にあるようだ。この平然とした語り口はどういうものだろう……思いだした。井伏鱒二が直木賞の選評を書いていたはずだ。筑摩書房版『井伏鱒二全集』で探してみると、あった。昭和十九年直木賞の選評。「(前略)即興的に執筆したのではないだらうかと考へたが、おそらくこの作者はかういふ姿の作品を書き慣れてゐるのだらうと私はまた考へなほした。(中略)穏健平明で、決して姑息なるところがない感じである。敢て大きく見せようとする加工の跡がなくて清潔であると思つた。(後略)」。ここでいう作者が森荘已池で、受賞作『山畠』『蛾と笹舟』についての評言だが、『浅岸村の鼠』にも共通するものあるといえそうだ。
そんな自在な世界の良質な表現が、ここに見られる。背後に『遠野物語』や『聴耳草紙』の世界が深く横たわっているのはいうまでもないだろう。
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By カスタマー
形式:単行本
宮沢賢治をして「あなたを尊敬する」といわしめた著者は、いったいどんな話しをかいたのだろうか、と、まずは素朴な好奇心を感じたものです。
なんともゆったり、とぼけた物語です。「田舎のネズミと都会のネズミ」という話しを子供の時に読んだことがありますが、これは同じネズミの話しでも、大人向き?

戦争中に書かれた本書、落ち着いて読むと、意外と皮肉、辛辣。発禁処分になっていても不思議はないような気も。心配性な向きが読むと、一見平和なようで、その実湾岸や対岸が、きなくさい情況の先を読む演習になるかも知れません。

実は、あたたかな味わいの版画の挿絵に見とれて、おもわず、最初に挿絵だけ拾い読み、いや、拾い眺め?したのが本当の所。ところが解説に、「これはたなかさんの形をかえた、ある種の個展でもある」とあって、一安心。「一粒で二度おいしい」というキャラメルのキャッチコピーが昔ありました。一冊で寓話と、挿絵と両方が楽しめる「お勧め」本です。

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