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『無量寿経』は昔ある国の王様が仏心に目覚め、出家して法蔵菩薩となり、四十八の「願」を立てて修行し、ついに悟りをひらき阿弥陀如来となることが釈迦の説法の形で物語られる。『観無量寿経』は古代インドのマガダ国の宮廷で王子が悪友に唆されて父と母后を幽閉した事件を背景として、牢獄に閉じ込められてしまった母后の懇願を受けて、釈迦が阿弥陀如来への絶対帰依と極楽浄土の世界のありさまを説く。『阿弥陀経』は短い経典で、阿弥陀如来に帰依することによって全ての人が救われ、極楽浄土に行けることが約束されていると釈迦が弟子達にひたすら説くという内容である。
上巻は三経のなかでもっとも大部の『無量寿経』を納める。
この経典の特徴は阿弥陀如来の前身である法蔵菩薩が世自在王仏に接して感動し、48の誓願(本願)を立て、五劫というとてつもない長い間の修行の結果成仏し、極楽浄土を建立するという物語である。
ところがサンスクリット本からの翻訳では本願は47しかなく、第35願に到ってはサンスクリット本とチベット本の誓願が食い違っているので併記されている。また浄土真宗で最重視される第18願は19番目に記されている。いろんな写本が出回っていたことがよく分かり、興味深い。
中村元先生を筆頭とする東大印哲グループの翻訳は流麗で読みやすい。
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