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34 人中、32人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
これぞ大河小説!,
By ジェッター (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 流転の海 (新潮文庫) (文庫)
この自伝的大河小説「流転の海」は、まだ連載中である。本になっているのは4巻まで。当初は5巻で終わるはずが、どうもこのままだと7巻ぐらいまで行きそうだ。 第一巻である「流転の海」は、伸仁(宮本輝)が生まれた昭和22年から始まる。 父である熊吾は、個性の固まりのような男だ。 決して学はないのに、はっとするようなことを口にする。 宮本文学の真骨頂である「警句」にあふれた文章に、私は何度もうなった。 たしかに熱心な創価学会員である宮本輝の文学は、 意地悪な味方をすれば「創価学会思想のプロパガンダ」だと言えなくもない。 しかし、共産主義には共産主義の文学があり、キリスト教にはキリスト教の文学がある。 私は公明党も創価学会も好きではないが、 そういう好き嫌いを超越したものが、宮本文学にはあると思う。 第二巻以降、熊吾は幼い伸仁に、いろいろと語りかける。 それはある時は掛け合い漫才のようでもあるが、 人間の本質をズバリと突いた言葉に、雑音抜きでうなずいてしまう。 人間の生き様を考えさせられる好著である。
10 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
大河ドラマのような壮大な物語です,
By fankybassman (東京都世田谷区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 流転の海 (新潮文庫) (文庫)
まず登場人物のキャラクターがとってもくっきりとしています。主人公の松坂熊吾が非常に魅力的です。恐らく脇役であろうその他の人々が熊吾と触れ合う時間は非常に短いものですが、それ自体がショートストーリーのようになっていて、しかも未来への連関性(この人また出てくるな!という予感)を感じさせます。根幹となる物語が非常に壮大で、「いったいどうなるんだろう?」と思いながらお話に一回幕が引かれます。現在4部まで出ているようですが、私も早く2部を読みたい気持ちでいっぱいです。決して短くないですが、恐らく読むのにそんなに時間はかかりません(非常にリズムのいい書き方です)オススメの一冊です。
7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ジャイアントな父親,
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レビュー対象商品: 流転の海 (新潮文庫) (文庫)
宮本輝、渾身の大河小説の第一部をさきほど読み終えた。冒頭、熊吾が大阪駅のプラットフォームに佇んでいる場面から、胸ぐらをつかまれたように豊穣な物語の世界に没入していくことになった。だいたいにおいてぼくの場合はスロースターターのきらいがあって、徐々にその小説が持っているリズムに感応していき集中力が増しペースも速まる。それでは何がほかの小説と異なるのか? 図抜けたほどの圧倒的な伸仁の父親、熊吾の存在感である。鋭い眼力がありながら、いろんな人たちに裏切られ、途方もないやさしさに満ち溢れながら、傍若無人のふるまいをする。相矛盾する人間が持っているあらゆる要素を結晶化させて持っている人物なのである。破天荒なほどすごいではないか! このジャイアントな父親に翻弄されるように読者ははやる気持ちを押さえながら、興奮にふるえる指先でページを次から次に捲っていくことになるのだ。
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