昭和60年ごろ、中学生だった私たち生徒に担任が、本を読め、わからなくても読め、年取ってもう一回読め、何度でも読め。とよく言っていた。もし中学生の私がこの本を読んでも、何が面白いのか、印象に残らなかったと思う。40を超えて、中学生だったこともよく覚えているが、自分のするべきことをしっかりと受け止め、反駁しながら、内心ドキドキしたりしている主人公の気持ちも今でならわかる。超大作ではないけれど、常に死を意識したり、未来がないと絶望していても、美しく人生を彩ることができるのは人間だからであろうか。純粋な気持ちを忘れていないか?自分を顧みてしまう読後感は超大作に匹敵する。現代失ったものはたくさんあることを痛感させられる、心に沁みる作品です。