満州国内のハルピン特務機関長(少将)時代の1938年に、ナチス・ドイツの迫害下から逃れてきた2万人のユダヤ人に対し、部下に保護を指示したある一人の帝国軍人の物語
この本では、記載されていない事だが、
なぜユダヤ人はアジアまで逃げなければなかったのだろうか?
ヨーロッパには、シンドラーやワレンバーグ等、命を懸けて保護に努めた人々はかなりいたがそれだけでは足りなかったようだ。というのも数百年前からドイツ人だけでなくヨーロッパ人にとってユダヤ人に対する差別はある程度あり、国家レベルで全面的に保護した国は皆無に等しかった。ロシアは受け容れたがユダヤ人を冷遇していた。
しかし、杉原・樋口(この本の主人公)を中心とした日本人だけは彼らを受け容れた。
日本政府は当初ユダヤ人を保護はする意図はなかったようだが、彼らの動きに対して黙認、同調することとなるようだ。
但し樋口季一郎が杉原千畝と違う点は、
軍人だからということで今時点においても主要なマスコミにはまったく取り上げられていないという事だ。
現代の日本において旧軍人を軽視する傾向があるが、
中国の日本大使館で脱北してきた北朝鮮人を保護することなく
むしろ不法に侵入した中国人に対して帽子を拾うような行為をする外交官と違い
価値があることをやった軍人を評価してはだめなのだろうか?
過去の大戦が
たとえ日本軍が100%悪かったとしても
その軍人の行為全てを否定する必要はない。
我々は祖先の事実関係を確認した悪行に対して反省する必要があるが
善行に対しても敬意を評すべきだ!
そのために必読な本と言える。