本の<後書き>を翻訳者自らではなく、コラムニストとか(自称)ミステリー作家なりが代わりに記し、やたら<ベスト!>とか
持ち上げる本は、出来るだけ避ける様にしている。大概さして面白くなく、自ら翻訳して、その本の面白く無い
事をいち早く知ってしまった翻訳者が、後書きを回避したのかと邪推してしまう。
本書は、あのルヘイン(ミスティック・リバー等)を多く翻訳している加賀山氏が、あのウインズロウ<犬の力>との比較まで持ち出して
<引けを取らぬ>と断言しておられる事のみで、躊躇無く購入し読了。
結果は、スケール的には<犬の力>に及ばぬが、確かに<犬の力>の一挿話(殺し屋カランの挿話など)として
十分通用するというものであった、300ページぐらいまでは....
このホーガンの奇譚はそこからが、さらに凄かった!!!
いや〜中盤すぎて、終盤にさしかかりだしてから、こんなにテンション・アップしてゆく本も久しぶり。
カバー記載の<疾走するアドレナリン>に偽りは無かった...
毛色が少し違うが、ウインズロウ『フランキーマシーンの冬』に私的には匹敵!!する面白本。ボブ・スワガーも顔色なし。
メイヴンが運命の流転の果てに、真実を知り、すさまじい復讐に疾走してゆく姿をヒリヒリしながら読ましてもらった。
(メイヴンは昔読んだ船戸与一『猛き箱舟』で、復讐の為、自らの左腕を断ち切った正次を彷彿とさせる。)
まだ、一月だが、ことしのベスト10の一冊をすでに発見した気分。
この決着のつけ方からして、続編必至で、すでに渇望中。この正義の<悪魔>が又、新たな仲間と共に帰還してくる事を切望する。
(ホーガンに関しては、『ストレイン』の続編も待っているのだが、一年以上待たされている。)
唯一つ、これは『フランキーマシーン』でのレビューにも書かせてもらったが、殺戮譚が苦手な人は、読まないでください。
終盤すさまじい殺戮譚が連続しますから...