先日発売になった「決定版 この国のけじめ」藤原正彦著を読んでいる最中、この母親の本を読んでみたくなった。併読しているうちに面白さが逆転し、この母親本が、ランナー追い越しのランニング・ホームランとなった。
「藤原正彦の面白さの原点はここにあったのだ」と思い知った。
「この母にして、この子」と言うべきか、「この子にして、やっぱりこの母」といった感じで、ものすごい。寝る暇を惜しんで一気に読んだ。
「壮絶!」「凄い!」、もうこの一言に尽きる。
男では到底できない母の強さがここに記されている。
1945年の敗戦後、こんな凄いことが中国、北朝鮮で実際にあったのですね。このような記録がないと私たちの代で消え去ってしまう過去の事実。無知の私なんぞは、敗戦、即、解放、淡々と引き上げされたのだと思っていましたが、敗戦後もこんなに凄まじい、死ぬ思いで引き上げてきたなどとは全く知りませんでした(この本から、大半の人は亡くなっているのですが)。
こういう本を読むと、どうして日本はこの事実を代々伝えていかないのであろうか、どうして消し去ろうとするのだろうか?と、日本の教育方針を疑ってしまう。まさしく、小学校では英語教育なんて必要ない!まず自国の勉強が必要である!
しかも、通常こういう「戦争体験記」は、男性側からのもの。女性の体験記は非常に貴重である。
しかし、こんな凄い体験記のなかでも、「藤原正彦の母」が垣間見られる。
その表現の仕方が似ているのである、息子と。またウイットが非常に利いているのである。こんな壮絶な内容にも拘らず「面白い」のだ(非常にはしたなく申し訳ないが)。
しかし、やぱり親子だなー、こういう親でないとこういう子は育たないよなー
でも、親子5人生きて還れてほんとに良かった。
■お薦め度:★★★★★(超お薦め!、実に面白いしためになる)