大手派遣業者を向こうに回して次々と勝ち、悪名高きグッドウィルを廃業に追い込んだ主役の一人。第1章の派遣村の話は、既報で結構見聞きした話を呼びかけ人として振り返ったもので、それなりという感じだったが、面白いのは日雇い派遣の無法さに闘争を決意し、派遣業者に勝つまでを描いた2章。3年ほど前から、ワンコールワーカーが問題になり始めた頃、著者は実際に労働12時間拘束されて手取りは6000円足らずという段ボールの上げ下ろし作業を体験する。作業自体は8時間だが、拘束時間を時給に含まない制度に著者は怒りを覚える。また、業者の中にも労組がないことが幸いし(本当は幸いではないが)、著者の支援で労組を結成。派遣社員の登録情報に風貌の登録欄があることも報告した。
そして、グッドウィル。データ装備費を返す、返さないで二転三転する。記者会見で折口会長が返すと言ったのに、「正式決定してないから」と返さいと言ったり、…本当に折口雅博というのは、経営者として見下げた人物だったな、と感じた。派遣業者のひどさというのが、よく伝わってくる。一応、グッドウィル廃業、派遣村成功で少し区切りがついたのかなという感じだが、3章で今後の派遣労働の改善のポイントである均等待遇、有期雇用規制を訴えている。
それにしても、朝日は労働問題、ほかの追随を許さない強さがある。風貌情報登録も確か朝日が初出だったような。新書のテーマとして、これからも労働問題に関与してもらいたい。