先日、TOKYO MXの番組に著者の門倉さんが出ており、その時は地下経済の取材と言うことであちこちの風俗店に自分で通って取材していると言うお話をされていました。
その時は、『山本晋也カントクかよ!?』と思いつつも、足で稼ぐタイプのジャーナリストなのな?と好印象を持ちました。
そして、その後たまたまAmazonのお勧めに本書が出てきたので、どんな物かと買ってみました。
やはり、正に足で稼ぐタイプで、豊富かつ興味深いインタビューを基に派遣労働の現状・問題点を丁寧に書かれていたと思います。
ただ、派遣問題は当時(2007-2009年)にかなり話題になっていた事もあってか、今読んで内容に特に目新しいと言うか、『へぇ〜』と言う点が少なかったのは残念です。それだけ門倉さんが派遣労働とその問題に関して隅々まで取材されていたと言うことになるのでしょうかね?逆説的な言い方をすると、今自分の持っている知識が本書からのものだった。と言うこともありえるなと思うくらい丁寧な仕上がりでした♪
ただ、英国の派遣制度に関しては全く知らなかったので、『そうなんだぁ〜』と言う感じでした。向こうはプロフェッショナル派遣と言う感じなんですね。
日本の派遣会社で問題だなと思う点はまさにここでして、こういう表現は人間を物扱いするようで憚られるのですが、敢えて言いますと『QCできてるの?』と言う感想を持ったことが一度や二度ではないほどトンデモナイ派遣社員の方を見ましたし、そのような話を他の人から聞く機会も多いです。
例えば:
派遣会社側では:スタッフを(脅して)、その人にマッチしないと思うような派遣先で就業させた。経歴書に嘘を書かせた。
派遣社員側では:派遣先の部署が休みの日に勝手に出社して(それも仕事がないのに)、タイムシートに休日出勤として記入した。
と言った話がゴロゴロ出てきます。つまり、そこいらへんにいる兄ちゃん・姉ちゃんを引っ張ってきて、どういう人物でどういう能力があるかも一切考慮せずに、派遣先に放り込んでマージンだけ頂戴すると言うビジネスを展開しているように見受けられます(ちなみに、上記の例は全て大手と言われる派遣会社であった話です)。
門倉さんが本書で仰るように、長期的に見て派遣社員としての安定した働き方が確立されてくるとすれば、このような『悪貨』は駆逐されるのか?それとも遂には『良貨』を駆逐するのか??その点も大いに気掛かりです。
それにしても、ワンコールワーカーの体験取材には是非門倉さん自身に行って欲しかったですね。(笑)