一見使いやすそうな印象があったため1年程前に購入したものの、豚に真珠よろしく当初はあまり役立たず、本棚の片隅に眠らせていました。
しかし、多少漢方を真剣に(?)齧り始めてから改めて開いてみると、本書の有用性が徐々に実感できるようになって来ました。
保険適用になっている主な漢方エキス剤に関して、いろいろな情報(出典、腹候、気血水、六病位、脈・舌、口訣、適応病名・病態、伝統的中医学的解説、効果増強の工夫、本方で先人は何を治療したか?、その他)が各薬剤見開き2ページにコンパクトに纏められていて重宝します。
「本方で先人は何を治療したか?」の項目には比較的大きなスペースが割かれているのですが、個人的には興味があまり持てないだけでなく、「漢方的な思考を自由に駆使して楽しむことができるようになるため」という著者の意図に対してそれがどの程度有効かという点には疑問を感じられ、寧ろその分各方剤の構成生薬をめぐる議論や他剤との相互関連の説明を詳しくしてもらいたかったです。
さらに著者は「ツムラ」の製剤しか使わないのか、処方例が「ツムラ」に限られている上、他社の保険適応製剤の解説が抜け落ちてしまっています。
そのため★4つとしましたが、初歩的な知識を既にお持ちの方にはハンディでお勧めできる1冊だと思います。