この一冊は、私の風呂タイムの必需品である。
もとはといえば、中野翠が自分の本の中で紹介していたことで、興味をそそられて読んでみたのだった。それが。
今では、なくてはならぬ入浴の友、もうよれよれになってしまいました。
こんなに繰り返し読んでいる本はほかにない。中島らも「アマニタ・パンセリナ」が2番目くらいか。
この作品の中では、ついに基本給が20万にならなかったサラリーマン時代の倉阪さんが、「会社に落ちてきた男」として暮らして(働いて)いるのだ。何年前の話であろうと、この本を開けばリーマン倉阪さんに会える。そんな思いが今日も風呂場でこの本を開かせる。
それにしても、倉阪さんは確かに変人だけれど、私にとっては言っていることはいちいちまともでうなずけることばかり。変なのは、時々手帳に怖い絵を書いてしまうとか、人がいないと思って懐メロや軍歌を大声で練習しながら帰るとか、偏食であるくらいか。二つ穴パンチを投げるくらいのこと、私だってする時がくるかもしれない。
エッセイの中では、「うるさい日本の私」「アマニタ・パンセリナ」と並ぶお気に入りである。…というのは変でしょうか。
*この後倉阪さんは小説を書いておられますが、残念ながら面白くありませんでした。エッセイがとびぬけて面白く、小説のほうは…という作家さんは、中島らも、姫野カオルコなどがいます。