登録情報
|
しかし、なんとはかなくも美しくたおやかな存在として余韻と哀愁をのこす、もののけであったろう。そして70年という栄枯盛衰の時間軸を辿って消えていった活動写真の、和製ハリウッド・京都での絶頂とその後の斜陽とぃう時代の雰囲気を巧みに織り込みながら語られる、この恋物語の切なさや胸苦しさは、もはや『恋い焦がれ死ぬ』ということが大時代なもの言いとしか聞かれない渇いた現在にあって、こころ騒がさずにはおれない情動となって泪をにじまさずにはいられなかった。
こころの琴線に触れるという言い回しがあるが、この著者ほどその勘所をとらえた文章をものする語り手はいないだろうと、ほんとに思う。ほんとに。
|
この商品のクチコミ一覧
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|
|